コメ栽培「乾田直播」に政府が補助金、効率化と環境負荷軽減を後押し

政府は、コメの革新的な栽培方法「乾田直播」の普及へ向け、補助金による支援を開始する方針を固めました。この手法は、生産コスト削減規模拡大、そして水田からの温室効果ガス削減に貢献すると期待されており、日本のコメ栽培の未来を担う重要な施策です。

乾いた田んぼで乾田直播の状況を視察する小泉農林水産大臣。埼玉県杉戸町にて。乾いた田んぼで乾田直播の状況を視察する小泉農林水産大臣。埼玉県杉戸町にて。

「乾田直播」の仕組み、利点、そして普及の現状

現在主流の苗を植える「移植栽培」に対し、「直播」は種もみを直接田にまく農法です。水を張る「湛水直播」と、水を抜いた乾いた田にまく「乾田直播」があります。乾田直播は苗作りや田植えの手間が不要なため、コストを大幅に抑制し、省力化規模拡大を可能にします。加えて、水田からの温室効果ガス排出削減効果も注目されています。

農林水産省によると、乾田直播は2023年産で全国のコメ栽培面積の約1.5%(1万9678ヘクタール)に留まりますが、近年増加傾向にあります。特に、省力化のメリットが大きい大規模な農業法人を中心に導入が進んでいます。

政府は2027年度に予定されている水田の直接支払制度見直しに合わせ、本栽培法を支援対象に含める考えです。補助金支給の具体的な仕組みや単価については、今後詳細が決定される予定です。

今回の補助金支援は、日本のコメ栽培の効率化と環境負荷軽減を両立させ、持続可能な農業の未来を切り拓く重要な一歩となるでしょう。今後の具体的な支援策の展開が注目されます。

Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/ecf64bea5e4c0afaaf4862cb63995b084d4012a3