アフガニスタン東部で殺害された非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表で、医師の中村哲さん(73)の告別式が11日、福岡市中央区の斎場で営まれた。家族とペシャワール会による合同葬で、喪主は長男の健さん(36)、葬儀委員長は同会の村上優会長。
祭壇には柔和な表情の中村さんの遺影が飾られた。アフガンで撮影されたもので、遺族が選んだという。
中村さんは長く、アフガンやパキスタンの国境付近などで貧困層への医療支援に取り組んできた。2000年にアフガンで干魃(かんばつ)が起きてからは、同国東部で用水路などを建設。荒廃した農地の復興や拡大を推進してきた。
出身校の福岡県立福岡高の同窓生、竹中駿介さん(74)は「母校が誇る世界的偉人だ。まだやりたいことがたくさんあっただろうに…」とうつむき加減で斎場に向かった。