宮城県が観光振興の財源として導入を検討している宿泊税をめぐり、県内のホテル・旅館業界3団体は11日、仙台市内で緊急集会を開き、「県民の負担が大きい」などとして宿泊税導入に反対する決議を採択した。
採択された決議では、導入の反対理由について▽観光地の宿泊客の2分の1が宮城県民▽宿泊業にのみ課税する安易で不公平なもの-などとしている。
集会では、県ホテル旅館生活衛生同業組合理事長を務める「ホテル佐勘」(仙台市太白区)の佐藤勘三郎社長が県の方針などを説明。佐藤社長は「農業や漁業でも交付金を使って復興を目指してきた。なぜ観光業界だけ自主財源を求められるのか、納得できない」と不満を示した上で「税を課せられるのは県民なのに、その説明が十分なされていない」と指摘した。
東日本大震災で被害を受けた県沿岸部の事業者も、宿泊税導入に懸念を示した。同組合に加盟する「気仙沼セントラルホテル松軒」(気仙沼市)の鈴木淳平社長は「復興は途上で、借り入れの返済に苦慮している事業者もいる。精神的にも宿泊税への負担感は強い」と語った。