2024年8月12日に放送された人気バラエティ番組『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で、MCを務める明石家さんま氏の発言が視聴者の間で大きな波紋を呼んでいます。特に、クイズプレイヤーの東問(ひがしもん)氏と東言(ひがしごん)氏の双子兄弟に向けた「学歴いじり」がSNS上で不快感を買っており、エンターテインメントにおける“いじり芸”のあり方について、改めて議論が巻き起こっています。
明石家さんまがバラエティ番組で発言する様子
『さんま御殿』で起きた「東大落ち」発言の経緯
問題の発言があったのは、「双子&三つ子が大集合 フシギな人生SP」と題された企画の回でした。この日、ザ・たっちや「マナカナ」こと三倉茉奈・佳奈といった芸能界の双子・三つ子タレントが出演する中、クイズ集団QuizKnockのメンバーとしても知られ、「クイズ界最強の双子」と称される東問・東言兄弟が登場しました。
番組中、さんま氏が兄弟に対し「どっちが東大や?」と尋ねると、弟の東言氏だけが手を上げました。兄の東問氏が「東京都立大学です」と答えると、さんま氏は続けて「東大に2人とも行こうとは思わなかったのか」と質問。兄の東問氏は「落ちたんです」と苦笑いしながら明かし、兄弟の点差はわずか10点と、紙一重で明暗が分かれたことが示されました。これに対し、さんま氏も一度は「ごめん……」と気まずそうな表情を見せました。
しかし、番組終盤に再びこの話題が持ち上がります。マナカナの学習方法の話から、東問・東言兄弟にも「兄のほうがずる賢い」という流れが振られると、兄の東問氏は「僕らは2人いるんで、自分は前から、弟は後ろからで、2人で一個の範囲のノートをまとめて共有してました」と説明しました。その際、さんま氏は「それで(弟は)東大で、お前は落ちてんねやろ!?」とたたみかけるようにいじり出したのです。東問氏は「東大になると、そのとき出た問題がわかるかどうか、みたいな運があるんで……」と釈明しましたが、さんま氏はさらに「落ちてんねやろ!? それさえ認めてくれたらええねん」と追い打ちをかけました。
視聴者からの批判とSNSでの反響
東問・東言兄弟はさんま氏の度重なる「学歴いじり」に対し、終始笑顔で対応していましたが、視聴者の受け止め方は異なりました。番組放送後、SNSのX(旧Twitter)には、さんま氏の「東大落ち」発言に不快感を示す声が多数寄せられました。
具体的には、「東大落ちてるいじり、誰のファンとかじゃないいち視聴者なのに不快に感じた…冗談にしてももっと笑えるいじり方ないのか?」「東言さんと東問さんがさんま御殿出たときに、片方が東大落ちてるいじりを何度かしたのが、何が面白いのかわからなくて不快だった」「最後の東大落ちた弄りはちょっと、、、面白かったのに、、、最後が台無し、、、」といった批判的なコメントが散見され、エンターテインメントにおけるいじり芸の許容範囲について、多くの視聴者が疑問を投げかけている状況がうかがえます。
明石家さんま氏の過去の「学歴いじり」と世間の感覚のズレ
さんま氏としては、バラエティ番組における高学歴いじりは“あるある”であり、「東大に落ちた」という事実は格好のネタとして捉えたのかもしれません。実際、さんま氏は2016年からMCを務める『さんまの東大方程式』(フジテレビ系)でも、東大生たちを「変人」扱いするなど、同様のトークを続けてきました。
しかし、その「東大生を変人扱いする」ノリが度を越しているとして、過去にも批判を集めることがありました。特に2024年の放送回では、当時博士課程3年だった大津高志氏が習得した中国語を披露しようとして言葉に詰まった際、さんま氏が笑いながらいじったことで非難が噴出しています。今回の「東大落ちいじり」にも少なからず批判が集まっている現状は、芸能記者も指摘するように「さんまさんの感覚と、世間の感覚がいよいよズレてきているのかもしれない」という見方につながっています。
変化する「イジり芸」の価値観と今後の課題
今回の騒動は、時代とともに変化する“イジり芸”のあり方を改めて問いかけています。かつては笑いの要素として受け入れられていた表現も、現代では多様な価値観が尊重され、個人の尊厳や努力に対する配慮が求められるようになりました。エンターテインメントの提供者には、視聴者の感情への配慮と、表現の自由とのバランスをいかに取るかが、今後の大きな課題となるでしょう。今回の明石家さんま氏の発言に対する世間の反応は、タレントや番組制作者が、旧来の「笑い」の形式にとらわれず、常に社会の潮流を敏感に察知し、内容を更新していく必要性を示唆していると言えます。
出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/0ad2505ee0a40271116c0422a97f77c34d71576d