政府が近く閣議決定する令和元年度補正予算案で、健康・医療分野の「ムーンショット型」の研究開発などに100億円程度を計上する方向で調整していることが11日、分かった。厚生労働・経済産業・文部科学の3省と内閣府が8月に提出した2年度当初予算の概算要求で盛り込んでいた別々の取り組みを一本化した上で、元年度補正予算案に前倒しして措置を講じる。
ムーンショット型とは、月面に有人宇宙船の着陸を成功させた米国のアポロ計画になぞらえて、従来の延長線上にはない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を目指すものだ。
2年度当初予算の概算要求の段階では、厚労・経産・文科の3省が健康・医療分野のムーンショット型の研究開発事業として約52億円、内閣府が産官学の連携による革新的な医療技術の実用化加速として約30億円をそれぞれ求めていた。
政府はこれら2つの取り組みを一本化し、元年度補正予算案に前倒しして100億円程度を計上する見込み。5日に閣議決定した経済対策では、ムーンショット型の研究開発制度について「破壊的イノベーションを創出する」と強調し、健康・医療分野などに拡大する方針を明記していた。