医師の父親を刺殺したとして、群馬県警桐生署と捜査1課は15日、同県桐生市の中学3年の男子生徒(15)を殺人容疑で逮捕した。男子生徒は「間違いない」と容疑を認めているという。県警は自宅から凶器とみられる包丁を押収し、詳しい動機や父子間のトラブルの有無について調べている。
【表】過去に起きた小中学生による殺人事件 法改正につながったケースも
逮捕容疑は13日ごろ、桐生市の自宅で、同居する父親(48)の首や腹などを包丁で複数回刺して殺害したとしている。
県警によると、男子生徒は14日夜、JR桐生駅前の交番に「父親を刺した」と自首してきた。捜査員が自宅を調べたところ、父親の遺体が見つかった。男子生徒は両親と妹の4人暮らし。母親と妹は県外に帰省中で、事件の際は父親と2人きりだったという。県警は15日の現場検証で、自宅から凶器とみられる包丁を押収。今後、司法解剖して父親の死因を調べる。
同級生によると、男子生徒はサッカー部に所属し、最後の大会を終えて引退したばかりだったという。同級生は「ゲームや勉強など一緒にする友達で、元気があって優しく、怒ることはなかった。学校で問題を起こしたことはなく、家庭の話やトラブルも聞いたことがない」と驚いた様子。知人の女性は「10年ほど前に移り住んできた。父親は真面目そうな人。仕事が忙しそうだったが、土日に子どもを車で送迎する様子を見かけた」と話した。【加藤栄、湯浅聖一】