【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は17日、18日に米ワシントンで行われる米ウクライナ首脳会談に、欧州首脳も同席するとSNSで発表した。15日の米露首脳会談後、トランプ米大統領がロシアの領土要求の受け入れに傾くのを牽制し、ウクライナの「安全の保証」の重要性を直接訴える狙いとみられる。
フォンデアライエン氏はSNSで、欧州首脳の同席は「ウクライナのゼレンスキー大統領から要請を受けた」措置だとしている。フランスや英国、ドイツ、イタリア、フィンランドの各国首脳、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長もそれぞれ、訪米を発表した。仏大統領府の声明は、欧州首脳の同席は「平和のための欧米の連携」を探るのが目的だと明記。さらに、ウクライナの和平は「欧州の安全保障にとっても重要だ」と強調した。
ゼレンスキー氏は17日、ブリュッセルを訪問。フォンデアライエン氏らとともに、欧州首脳とのオンライン会談を行う。
米報道によると、トランプ氏は米露首脳会談後、ウクライナが東部2州をロシアに明け渡せば、すみやかな和平合意が可能だという認識を提示した。欧州は、ロシアが停戦に応じない場合、対露制裁を強化すべきという立場で、米国とのずれが浮き彫りになっている。