「ミスタープロ野球」長嶋茂雄さん、日本を代表する名俳優の仲代達矢さん、茶道の千玄室さん、元首相の村山富市さん…。 2025年にこの世を去った人々を振り返る。(一部敬称略)
1月5日 李恢成(り・かいせい、イ・フェソン)さん(89)=作家
外国人として初めて芥川賞を受け、在日コリアンの体験や歴史を題材にした作品を数多く発表した在日文学の旗手。「見果てぬ夢」「百年の旅人たち」などの作品で注目を集めた。1935年、旧樺太生まれ。戦後は札幌市に移住。早稲田大学文学部卒業。朝鮮新報記者などを経て、1969年に「またふたたびの道」で群像新人文学賞を受け、作家デビューした。72年に「砧(きぬた)をうつ女」で芥川賞。晩年は自らの歩みを集大成した長編「地上生活者」に取り組んだ。
2月3日 吉田義男(よしだ・よしお)さん(91)=野球選手・監督
華麗で軽快なプレーぶりから「今牛若丸」と呼ばれた、阪神タイガースの名遊撃手。引退後は3度にわたり阪神の監督を務め、1985年にはバース、掛布、岡田の強力クリーンアップを率いて、球団史上初の日本一を達成した。京都市出身。1953年に立命館大を中退してプロ入りし、17年間でベストナイン9回、2回の盗塁王に輝いた。89年から95年まで、野球のフランス代表監督として国際的な競技の普及・育成にも貢献した。選手時代の背番号23は阪神の永久欠番。92年に野球殿堂入りした。
3月11日 いしだあゆみさん(76)=歌手・俳優
1968年発売の「ブルー・ライト・ヨコハマ」が、シングル販売枚数150万枚を超える大ヒット。「あなたならどうする」(70年)もヒットし、透明感ある歌声で人々を魅了した。俳優としても幅広く活躍し、映画では87年に「火宅の人」「時計 Adieu l’Hiver」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。ドラマ「金曜日の妻たちへ」や「北の国から」などでも大きな存在感を示した。大阪府池田市出身。14歳で上京して作曲家の故いずみたくさんに師事した。歌手としてはまた、ティン・パン・アレーと共演したアルバム『アワー・コネクション』(77年)がシティポップの名盤として評価されている。








