元Mrs. GREEN APPLEドラマー山中綾華が語る「社労士のリアル」:難関突破と人気漫画『ひよっこ社労士のヒナコ』の推薦

人気バンドMrs. GREEN APPLEの元ドラマーである山中綾華さんが、バンド脱退後、社会保険労務士(社労士)の国家試験に合格し、現在「社労士兼ドラマー」という異色の“二刀流”を目指し活躍しています。その山中さんが、社労士という職業を深く理解するためにぜひ勧めたいと語るのが、人気のお仕事漫画『ひよっこ社労士のヒナコ 1』(原作・水生大海/漫画・河野別荘地)です。本稿では、山中さんの社労士としての経験と、漫画が描く「社労士あるある」の世界について深掘りします。

元Mrs. GREEN APPLEドラマーで社労士の山中綾華さん、新たなキャリアに挑む姿元Mrs. GREEN APPLEドラマーで社労士の山中綾華さん、新たなキャリアに挑む姿

社労士の仕事のリアル:「あるある」エピソードで学ぶ

社労士とは、企業の労務管理や社会保険に関する専門家です。社会保険や行政機関への申請書類の作成・提出代行、労務管理に関する相談対応、そして指導を行うのが主な仕事内容となります。『ひよっこ社労士のヒナコ』は、派遣社員から転職した新米社労士のヒナコが、「不当解雇」「給料未払い」「ハラスメント」といった様々な労務問題に立ち向かう物語として描かれています。

山中さんは社労士事務所で働き始めて約2年が経過しますが、この漫画を読んで「この話そうだよね」「あるあるだよね」と感じるエピソードが非常に多く、深く共感したと語ります。例えば、「余った有給休暇は会社が買い取ってくれるのか」という疑問や、「残業時間がカットされて残業代が支払われていない」といった問題は、日常的に多くの企業で見聞きする労働問題です。

さらに、扶養内で働くパートタイマーが年収130万円未満に抑えるために労働時間を調整する、いわゆる「年収の壁」問題も頻繁に発生します。漫画ではパートタイマー自身が計算を行う様子が描かれていますが、山中さんの事務所では給与計算の際に「この方は扶養内で働く予定なので、あと何時間に抑えた方がいいですよ」といった具体的なアドバイスも行っていると言います。このように、漫画は社労士の業務における現実的な課題を的確に捉えている点が、山中さんにとって非常に「リアル」に感じられる理由となっています。

繁忙期の実態:社労士が語る多忙な日々

漫画の中で毎年7月が社労士にとって特に忙しい時期として描かれていることに対し、山中さんは自身の経験と照らし合わせ、「とてつもなく忙しい」と強く同意します。特に6月から7月10日頃までは、まさに「忙殺される」日々だそうです。

通常の毎月の給与計算に加え、例えば15日払いや25日払いの会社があれば、その期日までに業務を完了させる必要があります。これだけでも月初めから中旬にかけては多忙を極めますが、さらにこの時期には「年度更新」(労働保険料を計算し直す手続き)と「算定」(4月から6月の給与を基に1年間の社会保険料の基準額を決定する手続き)という、年間の重要業務が重なるため、事務所全体が非常に慌ただしくなるとのことです。

また、年末調整の時期も社労士にとっての繁忙期の一つです。生命保険や住宅ローン、扶養家族など、控除に関する書類を全て揃えなければならず、一つでも書類を紛失すると大変な手間が生じます。これも漫画に描かれていた「あるある」エピソードとして、山中さんの実体験と一致しています。

社労士とドラマーの二刀流を目指す山中綾華さんが推奨する漫画「ひよっこ社労士のヒナコ」社労士とドラマーの二刀流を目指す山中綾華さんが推奨する漫画「ひよっこ社労士のヒナコ」

音楽から士業へ:山中綾華の挑戦と発見

山中さん自身は、社労士試験を受ける以前に、このような士業の仕事があることを知っていたのでしょうか。この問いに対し、彼女は「正直、知りませんでした」と率直に答えています。これまで音楽の仕事に専念し、会社勤めという経験がなかったため、社労士という職業は全く異なる世界だと感じたそうです。

Mrs. GREEN APPLEでのドラマーという華々しいキャリアから、一転して合格率6%という難関の社労士国家試験に挑み、見事合格を果たした山中綾華さん。その経験は、多くの人々にとって新たなキャリアパスや資格取得へのモチベーションとなるでしょう。彼女が推薦する漫画『ひよっこ社労士のヒナコ』は、山中さんの実体験によってその内容の正確性が裏付けられており、社労士の仕事に関心を持つ人々にとって、入口として非常に有用な一冊と言えます。

山中綾華さんの挑戦は、自身の経験を通じて社会貢献を目指す新たなロールモデルを示しています。彼女の「二刀流」としての活動は、今後も注目されることでしょう。

参考文献