VTuber/ストリーマーのksonさんが8月18日、自身のYouTubeチャンネルで「VShojoの闇:未払いどころじゃありませんでした」と題した動画を公開し、かつて所属していた米国VTuberエージェンシー・VShojoによる案件報酬の「中抜き」があったと明かしました。現在倒産手続き中の同社に、また新たな不正疑惑が浮上した形です。動画には元VShojo JPスタッフのハイガイさんも登場し、この新事実に驚愕する様子を見せました。
VShojoのロゴを背景に中央に立つVTuber ksonさん。新たに発覚した案件報酬の中抜き問題とVShojoの不祥事について報じる
前代未聞の不祥事、VShojoのこれまでの経緯
VShojoは2020年に設立されたVTuberエージェンシーで、多くのVTuberが所属し、「タレントファースト」を掲げ、英語圏のVTuber市場を牽引してきました。しかし、2025年7月に所属VTuberのアイアンマウスさんの告発を契機に、タレントへの多額の報酬未払いや、ファンからの寄付金の不適切な流用など、深刻な問題が次々に表面化しました。この事態を受け、所属タレントの相次ぐ脱退へと発展し、最終的に7月25日には代表のJustin Ignacio氏が資金難による事業終了を発表。7月28日のksonさんの投稿動画では、すでにVShojoの倒産手続きが開始されていたことが明かされていました。
ksonが明かした新たな「中抜き」と不適切経費請求の実態
8月18日に投稿されたksonさんの動画によると、彼女はVShojo所属時代に案件を受けた企業から、現在も仕事の依頼を受けていると報告。その際、以前の契約内容を確認したところ、VShojo側からksonさんに提示されていた報酬金額と、実際に企業が支払っていた金額が異なっていたことが判明しました。詳細な比率は不明ながらも、VShojo本社による案件報酬の「中抜き」が行われていたことが発覚し、「案件報酬はタレントへ全額支払い」というVShojoの公式方針が虚偽であったことが明らかになりました。ksonさんによれば、米国のVShojo本社からVShojo JPへ伝えられた報酬金額は、すでに中抜きされた後の金額だったとのことです。
さらに、VShojoが案件を依頼した企業に対し、本来業務に直接関与しないスタッフの宿泊費なども経費として請求していたことも判明。これに対しksonさんは「お前私(の案件先)のおかげで来れてんじゃん」と、怒りをあらわにしました。今回の告発は、報酬未払いや寄付金流用といったこれまでの問題に加え、企業としての透明性と誠実さに深く関わる新たな疑惑として、業界内外に大きな波紋を広げています。
まとめ
VTuberエージェンシーVShojoが抱える問題は、報酬未払いや寄付金流用に留まらず、案件報酬の不適切な「中抜き」や業務外経費の請求といった、より根深い構造的な問題であることがksonさんの告発によって明らかになりました。これは「タレントファースト」を掲げていた同社の企業倫理が問われる事態であり、VTuber業界全体の信頼性にも影響を及ぼしかねません。倒産手続き中のVShojoの今後の動向、そして一連の不祥事に対する責任の所在について、引き続き高い注目が集まることでしょう。
参考文献
- kson YouTubeチャンネル: 「VShojoの闇:未払いどころじゃありませんでした」(2025年8月18日公開)
- Yahoo!ニュース: 「kson、VTuberエージェンシー・VShojoの案件ギャラ中抜きを告発 未払い・寄付金流用に続き」(2025年8月19日公開)
- KAI-YOU.net: 「【画像】かつてVShojoに所属していたタレントたち」(参考画像元)