静岡市は学校給食で豚肉などの食材が宗教上の理由で食べられない子供への対応を検討していることがわかった。静岡市の田辺信宏市長は12日の定例会見で明らかにし、「来年度中に食べられない食材を除いた給食を提供できるよう準備をしていきたい」と述べた。
静岡市学校給食課は今年5月、市立小中学校129校を対象に調査を実施。約4万7千人中、33人が給食で宗教上の配慮が必要であることが判明した。33人中15人は給食ではなく弁当、残りの18人は食べられない食材を取り除くなどして給食を食べているという。
食べられない食材は主に豚肉や料理酒などに含まれるアルコールだったといい、同課はこれらの食材を禁止しているイスラム教の子供とみて、対応を検討している。
同市が推進する持続可能な開発目標「SDGs」の中で多文化共生社会は一つの重点テーマであり、田辺市長は「多文化共生を目指す中で学校給食の対応は自治体としての標準装備だと思う」と強調した。