8月19日、ネットを中心に活動する人気歌手luz(ルス)さんが急逝したと、所属事務所ESPERANZAが公式サイトで発表しました。32歳という若さでの突然の訃報に、関係者一同は深い悲しみに包まれています。事務所は「ご遺族のご意向を尊重し、詳細につきましては公表を差し控えさせていただきます」と述べており、死因については明かされていません。
ネット発の人気歌い手、その功績と社会現象
luzさんは、インターネットを拠点に活動する、いわゆる「歌い手」として絶大な人気を誇っていました。2010年に「歌ってみた」動画を初投稿して以来、その魅力的な歌声と表現力で着実にファンを獲得。ライブイベントへの参加を通じて知名度を高め、2014年にはアルバムをリリースするに至りました。翌年からは自身がオーガナイザーを務めるライブイベント「XYZ TOUR」をスタートさせ、全国で2万人を動員するほどの定期イベントへと成長させました。アニメの主題歌も複数担当するなど、若者を中心に熱狂的な支持を集めるトップ歌い手の一人でした。
過去の不祥事と活動への影響
しかし、2024年にはluzさんにまつわる醜聞が報じられました。「週刊文春」による報道で、luzさんが違法薬物により逮捕されたことが明らかになったのです。当時の所属レコード会社は報道を認め、契約を解除。CDなどの出荷停止や音楽配信の停止といった厳しい措置が取られました。luzさん自身が代表取締役を務めていた事務所ESPERANZAも、逮捕と懲役1年8カ月、執行猶予3年の有罪判決を受け、社長交代を発表しました。この出来事は、社長とプレーヤーの兼務が心身に多大な負担をかけていた可能性を示唆しています。
活動15周年ライブ直前の悲報と意味深な最後の投稿
不祥事以降もluzさんは自身のペースで音楽活動を続けており、来る8月31日には活動15周年を記念する特別ライブの開催を予定していました。そんな矢先に飛び込んできた急逝の報は、ファンに大きな衝撃と深い悲しみをもたらしました。SNS上には、突然の別れを惜しむ声や動揺するコメントが数多くあふれています。luzさん本人の最後の投稿は8月6日のX(旧Twitter)で、「本当に全てに限界来てる いつこの呪いから解き放たれるんだろう 光なんてもうとっくにないんだよ」という、その後の展開を予兆するかのような意味深なメッセージでした。逮捕以降、心ない誹謗中傷が少なくなかったとの声もあり、精神的な追い込みがあったのか、あるいは突発的な事故であったのか、詳細が明かされないため真相は不明なままです。
luzさんのX(旧Twitter)での最後の投稿のスクリーンショット。意味深なメッセージが読み取れる
32歳という若さで惜しまれながらこの世を去ったluzさん。彼の音楽と共に歩んできた多くのファンの動揺は、いまだ収まる気配を見せていません。