田村亮が語る「コンプレックス」の真実:ポジティブ思考の源流と芸能界30年の歩み

長きにわたりテレビの世界で活躍を続けているタレント・田村亮さん(53)は、今年6月にお笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」を解散したことでも注目を集めました。その輝かしいキャリアは30年以上に及び、若手時代から第一線で活躍し続けています。今回、AERA DIGITALの新連載「コンプレックスの広場」に登場した亮さんは、これまでの人生を振り返りながら、自身の「コンプレックス」に対する独自の視点を語りました。彼が考える「楽しむ能力」「幸せを感じる能力」の高さが、いかにして彼を形作ってきたのか、その源流に迫ります。

ロンブー田村亮、30年のキャリアで培った「幸福を感じる能力」

取材で「コンプレックスや劣等感があまりない」とマネージャーが語るほど、田村亮さんは自己肯定感が高い人物として知られています。彼自身も「僕、楽しんだり幸せを感じたりする能力が他の人より高いと思ってるんですよ。そこが自分の取りえでもあります」と明かします。亮さんにとって、「これできへんな」「あれ足りてへんな」と自身の欠点ばかりを考えていたら、客観的な視点を失ってしまうと考えています。

また、他のタレントと比較することについても、早い段階から達観した考えを持っていたようです。「ほとんどの人はそうじゃないですか。他のタレントさんを見て、『あの人いいな』『この人いいな』って考えたら、もうだめだと思ってて。他人の良いところばかり考えてたらキリがないって気持ちに早い段階からなったのかもしれません」。この比較を避ける姿勢が、彼のポジティブな精神状態を維持する鍵となっています。

田村亮さんが自身の肩書きについて思案する様子田村亮さんが自身の肩書きについて思案する様子

幼少期の経験が育んだ、ネガティブ思考を断ち切る力

亮さんのこうしたポジティブな思考や達観した人生観は、いつ頃から培われたものなのでしょうか。その源流は、幼少期の経験に遡ります。彼は子どもの頃、父親からよく厳しく叱られたと言います。しかし、父親が大工の棟梁であったことから、「そりゃ頑固じゃないと棟梁は務まらんやろうな」と、その背景を理解していました。この経験を通じて、「ネガティブに受け取らないって言ったらおかしいけど、できないことをあれこれ考え込むのをやめる能力が身についたのかもしれないです。もともとの性格かもしれないですけど」と分析しています。

さらに、自分を他者と比較しない姿勢は、スポーツ選手のような「すごい」存在に対しても発揮されます。「スポーツ選手とか、すごいじゃないですか。でも、それをうらやましいと思うほど自分は何もしてないんですよ」。このように、自身が努力していない領域に対して、無理に羨望や劣等感を抱かないことが、亮さんの心の平穏を保つ秘訣と言えるでしょう。

青空の下、笑顔を見せる田村亮さん青空の下、笑顔を見せる田村亮さん

「努力」と「才能」:自分を肯定し、迷いから脱却する哲学

亮さんは、自身の努力についても謙虚な姿勢を見せます。「そのレベルが周りより小さいんだと思うんです。才能がないから人の5倍やったかと言われたら、たぶん1.5倍ぐらいやと思う。ほんまは100倍やらなあかんのに、できてない。それなのに100倍やってる人を見てコンプレックスを感じるのも、なんか違うじゃないですか」。自分の努力を客観的に評価し、それ以上のものを求めないことで、不要な劣等感を排除しています。

20代でゴールデン番組のMCを経験した際、「上には上がいる」と痛感した亮さん。そうした状況で自分を見失う人もいる中で、彼は独自の哲学を築き上げました。「漠然と思ってることなんですけど、自分が自信を失った世界に入り込んだ結果いい脱出法が見つかる確率と、もともと才能がある確率って同じぐらいなんじゃないかなって。それだったら、考えて出た答えも普通にやってたどり着いた答えも同じですよね」。この言葉は、才能の有無にかかわらず、困難に直面した時の思考と行動が最終的な結果に繋がり得るという、彼の深い人生観を示しています。田村亮さんの「コンプレックス」は、むしろ彼自身のポジティブな哲学を育むための糧となっていたのです。

参考文献

  • AERA DIGITAL 新連載「コンプレックスの広場」より、田村亮さんのインタビュー記事を参考に作成。
    • 出典元: Yahoo!ニュース (2025年8月23日掲載)
    • 記事リンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/e64a6d4afbcdd2960ceee0ea640cc7202c62e0b8