「いい会社」なのに「毎日楽しくない」…キャリアのモヤモヤ、その正体と見直す力

「ちゃんと働いていて、実績も評価もある。それなのに、なぜか毎日ぜんぜん楽しくない…」

あなたは今の職場で、そうした「うまく言葉にならない“モヤモヤ”」を感じたことはありませんか?「この会社で一生働くのは無理だ」「でも、他に“やりたいこと”も見つからない…」「だから、しぶしぶ働いている」――そんな日々の中で、「このままでいいのか?」と不安に思った経験は、一度や二度ではないはずです。

こうした「うまく言葉にできないモヤモヤ」を見事に「言語化してくれた!!」と各所で共感が殺到している新刊が、勝木健太氏の著書『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』です。今回は、本書の内容をもとに、多くのビジネスパーソンが抱える「キャリアのモヤモヤ」の正体と、そこから抜け出すヒントについて解説します。

現代の職場で疲弊し、キャリアにモヤモヤを感じるビジネスパーソンのイメージ現代の職場で疲弊し、キャリアにモヤモヤを感じるビジネスパーソンのイメージ

成果を出し続ける「優秀な人」に忍び寄る限界と疲弊

深夜に及ぶ会議、鳴りやまないスマートフォンの通知音、そして週末にまで押し寄せる仕事の波に、思わず息を呑む日々。成果を出すたびに責任は増大し、昇進すれば業務は軽くなるという期待は裏切られ、実際は逆だったと感じる人も少なくありません。こうした状況が続くと、自宅に帰ってもただ眠るだけ。休日は「再起動のためのバッテリー」と化し、本来の「自分の時間」はどこを探しても見当たらないという状態に陥ります。

問題の本質は、「仕事が終わらないこと」だけではありません。気づけば、人生そのものが「終わりなき処理作業」にすり替わってしまっていることにあります。未読メールが70件を超えても、もはや返信する気力さえ湧かない。ただ画面を眺めているだけの状態は、心身の「壊れ始め」のサインであり、自己肯定感の低下にもつながりかねません。

「期待」との距離を取り、自らの働き方を再選択する勇気

この悪魔的な「成果を追い求めるループ」を断ち切る鍵は、単に「環境を変えること」だけではなく、「“期待”との距離の取り方」にあると本書は指摘します。立ち止まることは、決して「甘え」や「逃げ」ではありません。それは、全力で走り続けた人にしか芽生えない、真の強さなのです。

今、あなたに本当に求められている能力は、山積するタスクを効率的に処理するスキルだけではありません。「どう働くか」を、会社の期待や周囲の評価に流されず、自ら主体的に選び直す「立ち止まる力」です。人生の主語を“会社”から「自分」へと取り戻しましょう。それこそが、ワークライフバランスを整え、あなただけの、より充実した働き方を取り戻すための最初の小さな一歩となるでしょう。

本記事は、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整したものです。日々の仕事にストレスを感じ、キャリアの進路に迷いがある方は、ぜひ本書を手にとって、ご自身の「モヤモヤ」とじっくり向き合い、新たな一歩を踏み出すための具体的なヒントを見つけてみてください。