人気バラエティ番組『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)の12月7日放送2時間スペシャルが、一部の視聴者の間で物議を醸しています。特に、元TOKIOメンバーが一切関わらない新企画「DASH100人食堂」の登場は、番組の根幹を揺るがすものとして、ファンから複雑な感情が寄せられています。
番組の歴史とTOKIOの変化
『ザ!鉄腕!DASH!!』は1995年にTOKIOの冠番組としてスタートし、長年にわたり多くの視聴者に愛されてきました。しかし、山口達也氏の脱退、長瀬智也さんの芸能界引退を経て、TOKIOは城島茂、松岡昌宏、国分太一の3人体制に移行。近年では、SixTONESの森本慎太郎など、STARTO社の後輩タレントが番組に参加することで、その人気を維持してきました。
しかし、2024年6月20日、日本テレビは国分太一さんのコンプライアンス上の問題行為を理由に、彼が『鉄腕DASH』から降板し、無期限の芸能活動休止となることを公表しました。これを受け、同月25日にはTOKIOの解散と、彼らの運営会社「株式会社TOKIO」の廃業が発表されるという、ファンにとって衝撃的な事態が続きました。
元TOKIOの城島茂、国分太一、松岡昌宏
城島さんと松岡さんは現在も番組に出演を続けていますが、TOKIO解散後は元メンバーが完全に不在の回が増加しており、「もはやTOKIOの番組ではない」という見方も強まっています。
新企画「DASH100人食堂」が呼んだ波紋
今回の2時間スペシャルでは、「DASH島 造船計画」に城島茂さんが出演した一方で、新企画「DASH100人食堂」には城島さん、松岡さんといった元TOKIOメンバーが一人も登場しませんでした。この企画は、過疎化に悩む地域に活気を取り戻すべく、地元の人々100人を集め、地元の食材を使った即興料理を振る舞うという内容です。
12月7日の放送回では、SixTONESの森本慎太郎さんと高地優吾さん、なにわ男子の藤原丈一郎さんと大橋和也さんの4人が山口県阿武町を訪れました。彼らは地元の人々と温かく交流し、料理作りだけでなく、綱引き大会の復活や伝統芸能への参加を通じて、ロケを成功に導きました。阿武町の花田憲彦町長も「『鉄腕DASH』大好き。家内と一緒にほぼ毎週見ている」と喜びを語るなど、現地では大歓迎されました。
この新企画に対して、「ほっこりコーナーですごく良かったな」「めっちゃいい企画やんけ……」といった肯定的な意見も多く寄せられています。
ファンの複雑な感情と番組の未来
しかし、その一方で、「元TOKIO不在」の新企画という点が、長年のファンからの強い反発を招いています。SNS上では、「もうTOKIOは用済みですか?わたしは5人が0から作り上げてきた鉄腕DASHが好きでした。成長した番組を後輩が乗っ取った番組なんて見たくない」「新しく立ち上げる企画で最初からTOKIOがいないっていう状況はもやもやしちゃうな…」といった拒否感を示す声が多数見られました。
今回の「DASH100人食堂」のように、すでに元TOKIOメンバーが不在でも番組が成立している側面があることは否めません。しかし、約30年間にわたり元TOKIOのメンバーが奮闘し、築き上げてきた『ザ!鉄腕!DASH!!』という番組は、多くの視聴者にとって「TOKIOの番組」という認識が根強く残っています。そのため、元メンバーが関わらない新企画が始まり、それが番組の中核を占めることに、複雑な感情を抱くファンが少なくないのが現状です。番組が新たなフェーズに進む中で、そのアイデンティティと長年のファンの思いとの間で、今後も模索が続くことでしょう。





