三菱商事は27日、千葉県と秋田県の沖合計3海域で計画する洋上風力発電事業から撤退すると発表した。物価高や円安などに伴う建設コストの高騰を受け、採算が取れないと判断した。
三菱商事はプレスリリースで「地元の方々をはじめ、関係する皆様のご期待に応えられない結果となったことを重く受け止めております」などとコメントした。
撤退するのは、秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖の3海域すべてになる。それぞれ三菱商事や中部電力の子会社などが企業連合を組み、国の公募に応じて、2021年12月に事業者に選ばれていた。28年以降に運転を始める予定で、3海域含めた発電規模は約170万キロワットと原発1.7基分にあたる。
公募時に提示した売電価格は1キロワット時あたり11.99~16.49円で、国の想定や他社の提示額を大幅に下回る価格だった。
朝日新聞社