産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が23日と24日の両日に実施した合同世論調査の結果、注目すべき動向が明らかになりました。「日本人ファースト」を掲げ、先の参議院選挙で躍進した参政党が、政党支持率において9.9%を獲得。これは自民党に次ぐ第2位の数字であり、国民民主党を上回って事実上の「野党第2党」の地位に浮上したことを示しています。特に、30代と40代の支持層では、参政党がトップの座を占めるなど、その支持基盤の広がりが注目されています。
最新の政党支持率:自民党首位、参政党が躍進
今回の世論調査における各政党の支持率は以下の通りです。自由民主党が22.2%で引き続きトップを維持しました。それに続く形で、参政党が9.9%と躍進を見せました。国民民主党は9.3%、立憲民主党が5.2%、公明党が4.2%、日本維新の会が4.0%、れいわ新選組が3.9%、日本共産党が2.8%、日本保守党が2.4%、チームみらいが1.0%、社会民主党が0.3%という結果でした。参政党の支持率上昇は、日本の政治地図に新たな動きをもたらす可能性を示唆しています。
前回調査との比較:支持率変動の背景
前回の7月調査と比較すると、主要政党の支持率には変動が見られます。自民党は1.2ポイント増と微増。参政党も0.1ポイントながら支持率を伸ばしました。一方、国民民主党は4.6ポイント減、立憲民主党は1.6ポイント減となり、支持層の一部が流動的になっている状況がうかがえます。特に国民民主党の支持率が落ち込む中で、参政党が着実に支持を広げている点が、今回の調査の大きな特徴と言えるでしょう。この変動は、有権者の政治意識の変化や、各政党の政策や活動への評価が背景にあると考えられます。
参政党代表の神谷宗幣氏がメディアの取材に応じる様子。最新の政党支持率調査で参政党が躍進した状況を示す。
年代別分析:若年層と中堅層を捉える参政党
年代別に政党支持率のトップ3を見ると、各世代で異なる傾向が浮き彫りになりました。18~29歳では国民民主党が22.1%でトップ、次いで参政党が10.6%、れいわ新選組が6.2%でした。この世代では自民党の支持率は4.1%にとどまり、若年層の自民党離れが明確です。
30代では参政党が18.9%で首位に立ち、国民民主党(16.9%)、自民党(9.6%)が続きます。また、40代でも参政党が21.0%と圧倒的なトップを飾り、自民党(15.9%)、国民民主党(11.5%)を抑えました。この結果は、参政党が働き盛りの中堅層からの強い支持を獲得していることを示しています。
一方、50代以上になると自民党の強さが際立ちます。50代では自民党が21.3%、参政党が8.7%、立憲民主党が5.9%。60代では自民党が26.3%、国民民主党が7.5%、参政党が5.4%。そして70歳以上では自民党が38.4%と圧倒的な支持を得ており、立憲民主党(9.8%)、日本維新の会(5.4%)が続きました。70歳以上の参政党支持率は2.4%に留まり、世代間の支持政党の差が鮮明に表れる形となりました。
結論
今回の産経新聞社とFNNの合同世論調査は、日本の政党支持率に新たな局面が訪れていることを示唆しています。参政党が全体で野党第2党に浮上し、特に30代、40代といった中堅世代から強い支持を集めている点は、今後の政治動向を占う上で非常に重要です。一方で、高齢層における自民党の盤石な支持基盤も改めて確認されました。世代間の政治意識の差異が浮き彫りになる中で、各政党がどのように有権者のニーズに応え、支持を拡大していくのかが注目されます。
参考文献:
- 産経新聞社・FNN合同世論調査(2025年8月23、24日実施)