長きにわたり読者の共感を呼んだ、漫画家・中川学氏による婚活エッセイ漫画「婚マン 独りで死ぬのはイヤだ」が、この度最終回を迎えました。48歳で「独りで死ぬのはイヤだ」という切実な思いから婚活に踏み出した中川氏の、赤裸々かつ真摯な挑戦が多くの注目を集めました。本稿では、連載完結を迎えた中川氏の心境、婚活を通じて得たもの、そして待望のコミックス発売について深掘りします。
「婚マン」完結と著者・中川学氏の心境
1年間にわたる婚活の軌跡を克明に描いた「婚マン 独りで死ぬのはイヤだ」が最終回を迎え、作者である中川学氏は「終わってしまうんですねー。寂しくなりますねー心も懐も。。。」と率直な気持ちを語っています。自腹で婚活に取り組むという異例のスタイルで、自身の体験をありのままに漫画として表現した中川氏の姿勢は、多くの読者から「ウソのない真摯な向き合い方」として驚嘆の声が上がりました。
中川氏は、お見合い以外の婚活費用は全て自腹でまかなったと明かし、自分に起きた出来事を「なるべく変えずに描いた」と述べています。婚活を通じて心残りな点としては、金銭的な事情で結婚相談所への入会ができなかったことを挙げていますが、一方で予期せぬ副産物も得たといいます。
漫画「婚マン 独りで死ぬのはイヤだ」の主人公と婚活の様子を描いたイラスト
赤裸々な「婚活」体験が読者の共感を呼ぶ
中川氏の婚活体験は、多くの読者に共感と興味をもたらしました。特に彼が詳しくなったこととして挙げたのは「都内にある安くてオシャレな飲食店」に関する知識です。婚活相手とのデートを通じて、「食べログ」アプリに保存した店の数が20倍にもなったと語り、婚活が思わぬ形で生活の幅を広げたことを示唆しています。
彼の情熱が創作活動に向けられていることに対し、「漫画」と結婚したと評される場面もありましたが、中川氏は「いやいや、結婚してないですよ(笑)。一生描いてはいきたいですけどね」と、あくまで結婚への意欲を失っていないことを強調しました。また、連載第12回は、配信プラットフォーム「集英社オンライン」のサイト全体で月間最も読まれた記事となり、中川氏の赤裸々な婚活描写が読者の大きな関心を集めたことが証明されました。人気脚本家である此元和津也氏からも「あそこまで身を削れません」という賛辞が寄せられるなど、その表現の深さが業界内でも評価されています。
待望のコミックス発売と中川氏の今後の展望
「婚マン 独りで死ぬのはイヤだ」は、2026年2月26日に待望のコミックスとして発売されることが決定しました。連載当初は単行本化が危ぶまれていたものの、晴れて発売が決定したことに中川氏は喜びを隠せません。彼は読者に対し、「怖いもの見たさで買って欲しいですねー。婚活の逆バイブル、反面教師本として、一家に一冊、よろしくお願いいたします。皆様からの印税が、中川の婚活資金に流れる仕組みとなっております」とユーモアを交えて語りかけました。
エッセイ漫画のスタイルについて、中川氏は「本当は身を削る系のエッセイではなく、のほほんとしたものが描きたい」と明かし、JALの機内誌やJRの車内誌での「のほほん旅行エッセイ」連載が夢であると述べています。また、「ダークツーリズム」にも関心を示し、国内外の特殊な土地を訪れることへの意欲も語りました。婚活の続編については「結婚するまでとなると、2巻3巻4巻5巻・・・・手塚先生の『火の鳥』のようにライフワークになる予感が」と冗談めかしましたが、最後に「私の目はまだ死んでいないということだけは言っておきたいです」と、未来への意欲と希望を力強く語り、連載を締めくくりました。
中川学氏の「婚マン 独りで死ぬのはイヤだ」は、一人の独身男性の切実な願いと、それに向き合う真摯な姿勢が凝縮された作品です。その旅路は一区切りを迎えましたが、彼の創作活動と人生の探求はこれからも続いていくことでしょう。
参考資料
- 中川学氏、婚活漫画「婚マン 独りで死ぬのはイヤだ」最終回インタビュー (集英社オンラインより)
 
					




