【ベルリン=工藤彩香】ドイツ政府は27日、新たな兵役制度の導入に関する法案を閣議決定した。ロシアによるウクライナ侵略を受けて防衛力の強化が課題となる中、兵士を大幅に増員するため、志願兵の数が足りない場合に2011年に停止した徴兵制の再開を視野に入れた。連邦議会での審議を経て、来年の施行を目指す。
独連邦軍には現在、約18万人の兵士と約10万人の予備役がいる。独政府は30年代に兵士26万人、予備役20万人の計46万人に増員する目標を掲げる。今回の法案には、十分な志願兵が集まらない場合、議会の承認を得れば、徴兵制を再開できるようにする条項を盛り込んだ。現状では、徴兵制の再開は、他国の武力攻撃を受けて国家が緊急事態を宣言した場合に限られる。
新制度では、18歳の男女に身体能力や兵役への関心などを尋ねるアンケートをオンラインで行う。男性に回答を義務付け、女性は任意とする。
ボリス・ピストリウス国防相は「人員と装備が強力な軍隊は、戦争を防ぐ最も効果的な手段だ」と述べ、国防に対する若者の貢献に期待を寄せた。