夏休みSNSに見る若者の経済格差と心の葛藤:複数アカウントで本音を隠す実態

まもなく夏休みが終わりを迎える中、多くの若者がSNSに楽しい思い出を投稿しました。しかし、華やかな投稿の裏側では、家庭の経済状況や小遣いの違いが浮き彫りになり、「スイートルーム最高!」「ホノルルの波、高い!」といった友人の“キラキラ体験”を目の当たりにし、「モヤモヤとした感覚」を抱く若者も少なくありません。この夏、日本の若者たちがSNSとどのように向き合い、利用してきたのか、約20人の中高大生への取材と精神科医の視点から探ります。

渋谷で夏休みを楽しむ女子学生たち、SNS投稿の背景にある若者の実態渋谷で夏休みを楽しむ女子学生たち、SNS投稿の背景にある若者の実態

若者のSNS利用実態:複数アカウントの使い分け

8月半ばの渋谷ハチ公前広場では、外国人観光客に混じり、多くの中高生や大学生らしき女子たちの姿が見られました。彼女たちにSNSの利用状況を尋ねたところ、その多様な使い方が明らかになりました。

都内の公立高校2年生の女子学生は「SNSはLINE、X、インスタ(Instagram)、ビーリアル(BeReal.)などを利用していますが、メインはインスタです。写真や動画に『いいね!』を送り合ったり、友だちとメッセージをやりとりしたり。スマホがない生活なんて考えられません」と語り、現代の若者にとってSNSが不可欠なツールであることを示しました。特に女子の間ではインスタグラムが人気で、友人関係の構築、拡大、維持に重要な役割を果たしています。

若者へのインタビューが行われた渋谷ハチ公前広場、多様なSNS利用が明らかに若者へのインタビューが行われた渋谷ハチ公前広場、多様なSNS利用が明らかに

興味深いことに、部活動の全国大会出場のために京都から上京し、渋谷観光を楽しんでいた公立高校3年生の女子学生は、インスタグラムのアカウントを3つ使い分けていると話しました。彼女によると、「1つ目の『本アカ』は約300人とつながるオープンなアカウント、2つ目の『サブアカ』は約100人、そして3つ目の『サブサブアカ』は本当に親しい友だち限定です」とのこと。これは、若者たちが投稿内容や公開範囲に応じて細かくアカウントを使い分け、人間関係や自己表現を巧みにコントロールしている実態を浮き彫りにしています。

まとめ:見えない格差とデジタル時代の自己表現

若者たちのSNS利用は単なるコミュニケーションツールを超え、経済格差から生じる「モヤモヤ」と向き合いながら、複数のアカウントを駆使して自己を表現し、人間関係を構築する複雑な社会現象となっています。このデジタル時代の若者文化を理解することは、現代社会の課題を深く考察する上で極めて重要です。

参考文献

Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部「夏休みSNS『モヤモヤ』を抱える若者たち リア充投稿の裏側」より
(文・写真:ライター・上條まゆみ)