「転売ヤー」と「せどり」の決定的な違いとは? ポケモンカード騒動が示す社会貢献と倫理

「転売ヤー」と「せどり」—これらの言葉はしばしば混同されがちですが、その実態と社会的影響には大きな隔たりがあります。マクドナルドのポケモンカード転売騒動が記憶に新しい中、両者の明確な違いを浮き彫りにする最新のアンケートデータが発表されました。本記事では、この調査結果を基に、商品を安く仕入れて高く売るという共通のビジネスモデルを持つ「転売ヤー」と「せどり」の、特に「仕入れ元」に焦点を当てた決定的な相違点とその社会的意義について深く掘り下げていきます。

専門機関の調査が示す「仕入れ元」の重要性

女性の自立と在宅ワーク支援を目的とした物販スクールを運営する株式会社T.B.Hが実施した調査により、「転売ヤー」と「せどり」の最も決定的な違いが「どこで商品を仕入れるか」という「仕入れ元」にあることが明らかになりました。この調査は、同社のLINE登録者である全国のせどり経験者または関心層253名を対象に、7月26日から8月9日にかけて行われたものです。商品の仕入れ先が一般消費者と直接競合するか否かは、社会的な批判の対象となるか否かを分ける重要なポイントとされています。

せどりの主要仕入れ先はリユースショップ:一般消費者との競合を回避

調査結果によると、せどり経験者が選んだ主要な仕入れ先は、1位が「2nd STREET」、2位が「ブックオフ」、3位が「ハードオフ」でした。「2nd Street」は古着、ブランド品、家具、家電など幅広いリユース品を扱うショップであり、「ブックオフ」や「ハードオフ」もそれぞれ書籍やCD、家電製品といった中古品を中心に取り扱っています。これらの仕入れ先は、新作や数量限定品ではなく、中古品、不用品、過剰在庫などを中心に扱っており、一般消費者が新品を求める市場とは競合しない点が特徴です。

ポケモンカード騒動を背景に転売ヤーとせどりの違いを解説するイメージポケモンカード騒動を背景に転売ヤーとせどりの違いを解説するイメージ

先のポケモンカード転売騒動では、数量限定の人気商品を大量に買い占め、一般消費者、特に子どもたちとの入手機会を奪う「転売ヤー」への批判が集中しました。一方で、今回の調査結果が示す「せどり」の活動は、市場に迷惑をかけるどころか、まだ価値ある商品を廃棄から救い出し、再流通を促進するという社会的意義のある経済活動であることが示唆されています。

「転売ヤー」と「せどり」の明確な定義

調査結果に基づき、株式会社T.B.Hは「転売ヤー」と「せどり」を以下のように定義し、特に価格に関する部分でその違いを強調しています。

  • 転売ヤー: 主に数量限定品や人気商品の購入を目的とし、定価より高値で再販売することを前提に仕入れを行う個人を指します。このような行為は一般消費者が商品を入手しづらくさせることがあり、結果として社会的な批判の対象となる場合があります。
  • せどり: 中古品、不用品、過剰在庫など、一般市場が見過ごしている、または気づいていない価値ある商品を仕入れ、適正価格で販売する活動です。仕入れは主にリユースショップや海外市場、知人からの譲渡などで行われ、廃棄削減や再流通促進といった経済と環境への貢献も期待できます。

せどりを行う際の注意点:古物商の許可

ビジネスとして「せどり」を行う場合、古物営業法に基づき「古物商の許可」が必要です。例えば、フリマアプリのメルカリは、個人の不用品売買を主としているため、原則として古物営業法は適用されないと説明しています。しかし、「営利目的で中古品(古物)の取引を継続的に行っていると認められる場合には、古物営業に該当する可能性がございます」とも注意喚起しており、事業者としての責任が伴うことを認識しておく必要があります。

まとめ

「転売ヤー」と「せどり」は、見た目には商品を仕入れて販売するという点で共通していますが、その本質は大きく異なります。「仕入れ元」が一般消費者の手に届きにくい中古品や過剰在庫である「せどり」は、商品の再流通を促し、廃棄物を減らすという社会貢献性を持っています。一方で、希少性の高い商品を買い占め、定価を上回る価格で販売する「転売ヤー」の行為は、消費者の購買機会を奪い、社会的な批判の対象となりがちです。適切な知識と倫理観を持ち、法規制を遵守することで、「せどり」は持続可能な社会に貢献し得る健全なビジネスモデルとなり得ます。