ホンダ、南青山本社の一部売却と八重洲への移転を発表:2029年、新たなグローバル拠点へ

自動車大手ホンダは29日、東京都港区南青山にある本社ビルの建て替え計画を大幅に変更し、建物と土地の所有権の一部を三井不動産レジデンシャルに売却すると発表しました。これにより、本社機能は2029年に東京・八重洲地区の再開発エリアに建設される高層ビルへ移転することが決定しました。この戦略的な移転は、企業の生産性向上と新たな価値創造を目的としています。

東京都南青山にあるホンダ本社ビルの外観。同社は2029年に本社機能を八重洲へ移転し、既存ビルの一部を売却すると発表した。東京都南青山にあるホンダ本社ビルの外観。同社は2029年に本社機能を八重洲へ移転し、既存ビルの一部を売却すると発表した。

南青山本社ビル計画の変更点

発表資料によると、ホンダは南青山本社ビルの所有権の一部を三井不動産レジデンシャルに譲渡します。その後、両社が共同で建て替えを行い、完成後はホンダが一部フロアを引き続き使用する予定です。当初、ホンダは2023年9月に南青山本社ビルの建て替え計画を発表しており、「イノベーションを生み出す変革と発信の拠点となるグローバル本社機能を構築する」として、2030年度の完成を目指していました。この計画では、「Hondaフィロソフィー」や安全、対話といった6つの思想を取り入れた設計が大きく打ち出されていましたが、今回の決定でその内容が変更されることになります。

八重洲への移転がもたらす戦略的利点

ホンダが八重洲地区への本社機能移転を選んだ背景には、戦略的なメリットがあります。新しいオフィスビルはワンフロアあたりの面積が従来の本社と比較して広く、ホンダの伝統に則り、様々な部署の従業員が一堂に会して働くことが可能になります。これにより、「組織としてのさらなる生産性向上や新たな価値の創出」を目指すとしており、部門間の連携強化やオープンなイノベーション促進に期待が寄せられています。

歴史ある八重洲地区と再開発プロジェクト

八重洲はホンダが東京に進出して以来、深いゆかりのある場所です。同社は1960年から1974年まで、この地にあったビルで本社機能を担っていました。今回の移転先は、その旧本社ビル跡地を含む再開発エリアであり、ホンダはこの場所への移転が企業にとって最適との結論に至ったと説明しています。三井不動産などの資料によると、八重洲の再開発計画は地上43階、地下3階建ての高層ビルを中心に進められており、オフィスや商業施設なども入居する複合施設となる予定です。三井不動産はホンダに対し、この新しいビルのオフィスフロアの一部権利を譲渡するとのことです。

現在の仮本社機能

なお、ホンダは現在、本社機能を虎ノ門に仮移転しており、2025年5月から業務を開始しています。八重洲への最終的な移転までは、この仮本社で業務を継続する見込みです。

今後の展望と企業戦略

今回の南青山本社ビルの部分売却と八重洲への本社機能移転は、ホンダが持続的な成長とイノベーションを追求するための重要な企業戦略の一環と位置付けられます。新しい八重洲の拠点は、より効率的で協働しやすい環境を提供し、グローバル競争力を一層強化する基盤となるでしょう。

参照元

  • Bloomberg (2025年8月29日). ホンダ、南青山本社ビル建て替え計画変更で一部売却 29年に八重洲へ移転. Yahoo!ニュース.
  • ホンダ、三井不動産レジデンシャルからの発表資料など