停戦への見通しが立たない中、ロシアによるウクライナの首都キーウに対する大規模なミサイル・無人機攻撃が発生しました。この攻撃により、少なくとも23人の市民が死亡し、欧州連合(EU)の関連施設にも被害が及んでいます。欧州各国からは、ロシアとウクライナの首脳会談が「実現しない」との厳しい見方が相次いでおり、和平への道がますます遠のいている現状が浮き彫りになりました。
キーウを襲った未曽有の攻撃:市民の証言と甚大な被害
今月28日未明、キーウ中心部をロシアのミサイルが襲い、住宅街の真ん中で大規模な炎が上がりました。これはロシアによるウクライナ全面侵攻開始以来、2番目に大きな規模の攻撃とされています。市民は「見ての通り、和平交渉は成果なし。人々は苦しんでいる」と現状への絶望感を語っています。この攻撃で子ども4人を含む23人が死亡、53人が負傷しました。爆発の衝撃で窓が吹き飛び、ちりや煙、ガラスの破片が散乱した現場の様子が住民によって伝えられ、「妻が行方不明で電話に応答しない。どこにも名前がなくて探し続けている」といった悲痛な声も聞かれています。
ロシアによるキーウへの大規模ミサイル攻撃後、炎上する住宅の様子。
ロシアは「軍事施設を狙った」と主張していますが、今回の攻撃ではこれまで比較的ミサイル攻撃を受けにくいとされてきたキーウ中心部に被害が集中し、住宅、教育施設、病院など200以上の建物が損傷しました。使用されたミサイルは31発、無人機は598機に上ります。さらに、EU代表部のビルやイギリスの国際文化交流機関なども標的となり、この大規模攻撃は欧州における和平交渉への懐疑論を一層深める結果となりました。ウクライナのゼレンスキー大統領は「プーチンは和平への道ではなく、ミサイルを選んでいます」とロシアの行動を強く非難しました。
欧州連合の施設も標的に:国際社会の非難の声
ロシアによるキーウへの攻撃は、欧州連合の関連施設にまで及び、国際社会から強い非難の声が上がっています。フランスのマクロン大統領は「これがロシアの考える平和だ。恐怖と蛮行。フランスはこの無意味で残酷な攻撃を最も強い言葉で非難する」と述べ、ロシアの残虐な行為を糾弾しました。
EUのフォンデアライエン委員長もまた、「EUの建物も襲ったキーウへの攻撃に強い憤りを感じています。ロシアが相手を恐怖に陥れ、老若男女問わず無差別に殺害し、欧州連合さえ標的にすることも辞さないことを示しています」と、ロシアが市民だけでなく国際機関をも標的にしている現状に強い危機感を示しました。ドイツのメルツ首相は「ゼレンスキー大統領とプーチン大統領の会談が実現しないことが明らかになった」と述べ、両首脳による和平交渉の可能性が極めて低いとの見方を示しています。
米国の対応:武器供与の承認とホワイトハウスの監視
このような情勢の中、欧米諸国にできることは、ウクライナへの兵器支援とロシアへの制裁が主要な手段となっています。かつてのトランプ政権は、長距離攻撃が可能なミサイル3000発以上のウクライナへの売却を承認しており、これが現在のウクライナ防衛力強化に繋がっています。
今回のキーウへの大規模攻撃に対し、ホワイトハウスのレビット報道官は「大統領は一報に不満を示しましたが、驚きはしませんでした。大統領は情勢を注視していますが、戦争が続く限り殺戮(さつりく)も続きます。大統領より追って追加の声明があるはずです」と述べ、情勢の深刻さを認識しつつも、ロシアの行動に対して一定の予測があったことを示唆しました。日本時間29日午後10時時点では、トランプ大統領からの追加声明は出ていません。
まとめ
キーウへの大規模攻撃は、ロシアのウクライナ侵攻が依然として激化していることを明確に示しました。多数の市民が犠牲となり、EU関連施設が被害を受けるなど、国際社会は深い懸念を抱いています。欧州各国の指導者からは、ロシアとウクライナの首脳会談が困難であるとの見解が相次ぎ、和平への道のりは遠のくばかりです。米国をはじめとする国際社会は、ウクライナへの軍事支援とロシアへの制裁を継続し、情勢の推移を注視していく構えです。この危機的状況が国際政治における新たな転換点となる可能性も指摘されており、今後の展開が注目されます。
参考文献:
- CABLE NEWS NETWORK 2024
- テレビ朝日
- Yahoo!ニュース: 「遠のく“和平”ロシア・ウクライナ会談「実現しない」キーウに大規模攻撃…23人死亡」
(https://news.yahoo.co.jp/articles/efc950734f09dc358e26e92279c14313e738124e)