バスや鉄道など複数の交通手段を連携させて利用・決済する「MaaS(マース)」の実証実験が16日から、東京都の竹芝エリア(港区)などで始まる。都が選定したJR東日本や東海汽船など7社が参加。勤務者向け、観光客向け、通勤者向けの3つに分けて実施される。混雑や移動時のストレスを緩和し、効果的な交通の運用を目指す試み。実験は来年1月17日まで行われる。
竹芝エリアでは、同地域に拠点を持つ企業の従業員らに対し、スマートフォンのアプリから配車の予約が始まる。駅やオフィスを巡回する自動車の効率的な運行を図る(デマンド型シャトル)。
さらに観光客向けに、竹芝客船ターミナルに到着する定期運航船のダイヤに合わせて、JR浜松町駅へ移動するための車サービスも運行させる。これは船舶と車や鉄道を連携させたサービスとなる。
利用者は交通系のICカードを事前に登録。乗車時に登録したカードで認証ができる。実験ということもあり、運賃は無料の所もある。
来年1月14日からは、朝潮運河船着場から竹芝小型船ターミナルへ船舶を運航させ、舟運を新たな通勤手段として利用するサービスの検証も行う。専用のアプリで、複数の交通手段の中から最適な経路を導き出すことができる。
アプリには、自転車を共有する「シェアサイクル」の決済機能や、お得なクーポンなども付け、その地域の観光情報なども盛り込まれる。
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MaaSは「Mobility as a service」(サービスとしての移動)の略。