若手実力派として注目を集めていた俳優の清水尋也容疑者(26)が3日、麻薬取締法違反の疑いで警視庁薬物銃器対策課に逮捕されました。現在放送中の人気ドラマにも出演し、今後のさらなる活躍が期待されていた中で発覚した今回の逮捕劇は、彼のキャリアだけでなく、彼が深く敬愛していたとされる2人の大物俳優、松本潤氏と浅野忠信氏に対する「裏切り」としても波紋を広げています。彼の素顔、そして違法薬物に手を染めた背景に何があったのでしょうか。
逮捕の詳細と内偵捜査の経緯
清水尋也容疑者は3日午前4時30分ごろ、東京・杉並区の自宅に踏み込んだ警視庁の家宅捜索を受け、同居する20代女性と共に逮捕されました。自宅からは大麻のような植物片や吸引用の巻き紙などが発見されており、逮捕容疑は7月に自宅で大麻を含む植物片を所持していた疑いです。清水容疑者は容疑を認めていると報じられています。
警視庁は今年1月には清水容疑者の大麻への関与情報を入手しており、それ以来、内偵捜査を継続していました。捜査当局は彼が常習的に大麻を使用していたと見ています。逮捕直前の2日午後8時頃、清水容疑者は約30万人のフォロワーを抱える自身のインスタグラムのストーリーズを更新し、7日に最終回を迎えるドラマ「19番目のカルテ」を告知していました。家宅捜索を受けたのはその約8時間後のことでした。
かつて若手注目株として颯爽とランウェイを歩く俳優・清水尋也容疑者の姿。身長186センチの長身が際立つ。
躍進するキャリアと敬愛する俳優たちとの関係
清水容疑者は2012年の映画「震動」でデビュー後、映画「東京リベンジャーズ」シリーズなど数々の話題作に出演し、その演技力で評価を確立してきました。身長186センチのすらりとした体型も相まって、若手俳優の中でも特に注目される存在でした。兄の清水尚弥氏(30)も俳優として活動しており、兄弟で芸能界を盛り上げていました。
最近では、俳優・松本潤氏(42)が主演を務めるTBS系日曜劇場「19番目のカルテ」で、主要キャストの一人として内科専攻医役を好演していました。関係者によると、清水容疑者は芸能界での交友関係が比較的少なく、「親友」と呼べるほどのタレントは数えるほどだったといいます。
彼が特に敬愛していたのが、松本潤氏と、日米で活躍する俳優の浅野忠信氏(51)でした。松本氏とは2022年のテレビ朝日系ドラマ「となりのチカラ」でも共演。ドラマ関係者によると、「清水君は松潤が嵐として、また俳優として活躍する姿を食い入るように見ており、『となりのチカラ』の撮影現場で顔を合わせた際は大変緊張していました。松潤も清水君の才能を感じ、折に触れてアドバイスを送っていました。『ヒロヤ君』『松本さん』と呼び合う間柄になり、『19番目のカルテ』での再共演へとつながったのです」と語っています。
浅野氏とは2018年のNetflixの米国ヤクザ映画「アウトサイダー」で共演。映画関係者は、「清水君が本格的な米国映画に出演するのはこれが初めてでした。英語のセリフが飛び交う撮影現場で強い刺激を受け、英語の重要性を痛感したそうです。浅野さんからも英語の習得を勧められていました」と証言しています。
俳優の清水尋也容疑者と、彼が敬愛していたとされる松本潤、浅野忠信。過去の共演時の写真とみられる。
語学留学先での「裏切り」と出演作品への影響
清水容疑者は浅野氏の言葉がきっかけとなり、2019年9月から12月にかけて米国へ語学留学しています。しかし、一部報道によると、同容疑者は警察の調べに対し「大麻を初めて使ったのは米国の留学先」と供述しているといいます。もしこれが事実であれば、役者としての研鑽を積むために渡米したにもかかわらず、そこで違法薬物を覚えて帰国したことになり、まさに本末転倒と言わざるを得ません。
この供述は、彼を信頼し、支え、才能を見出してくれた松本氏や浅野氏といった敬愛する先輩俳優たちへの「裏切り」とも受け取れるでしょう。
逮捕を受けて、7日に最終回を迎える「19番目のカルテ」では、清水容疑者の出演シーンがカットされる予定です。また、29日放送開始予定のNHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」への出演は未発表でしたが、NHKは逮捕を受け、出演取り止めを正式に発表しました。
結び
才能あふれる若手俳優として将来を嘱望されていた清水尋也容疑者の逮捕は、彼自身のキャリアに大きな打撃を与えただけでなく、彼を支え、期待を寄せていた多くの関係者やファンに深い失望をもたらしました。特に、彼が目標とし、共に作品を作り上げた松本潤氏や浅野忠信氏にとっては、非常に残念な出来事であったことでしょう。芸能界では違法薬物による逮捕者が後を絶たず、そのたびに社会に大きな衝撃を与えています。今回の件も、再発防止に向けた啓発と業界全体の意識改革の重要性を改めて浮き彫りにしました。