自民党総裁選前倒し要求が加速:石破総理の進退に揺れる党内情勢

自民党内で、石破総理の辞任にもつながりかねない「総裁選前倒し」を求める声が急速に高まっています。最新の調査では、現職国会議員の約4割が前倒し要求の署名に賛同しており、党内の動向が注目されています。

総裁選前倒し要求の背景と閣僚の動き

石破総理は5日夜、国会近くのホテルで側近議員らと会合を開き、刻一刻と変化する総裁選を巡る情勢への対応を協議しました。こうした中、鈴木馨祐法務大臣が自身のSNSで総裁選前倒しを求める考えを表明。現役閣僚としては初めてのことであり、党内外に大きな波紋を呼んでいます。また、当選2回の若手議員らが国会内で情報交換を行うなど、水面下での動きも活発化しています。小泉進次郎農林水産大臣は態度を明言せず、「一致結束につながるような対応が必要」と述べるに留まっています。

要求実現への道のりと党内情勢

総裁選の前倒しが決定するには、国会議員295人と都道府県連47、計342の総票数の過半数にあたる172の要求が必要です。ANNの取材によると、都道府県連では16が要求方針を示し、5が非要求、残りは未定・不明です。国会議員では、約4割にあたる120人超が要求する方針を固めており、過半数まで残り約40人という状況です。一方で、約50人が要求しない意向を示し、約120人の議員が態度未定・不明とされており、党内は大きく二分されつつあります。

総裁選前倒し要求を巡る自民党国会議員総裁選前倒し要求を巡る自民党国会議員

麻生派と若手議員の「忸怩たる思い」

麻生太郎最高顧問は3日、総裁選前倒しを求める書面に署名・提出すると表明。この動きは、当選1回で麻生派に所属する向山淳衆議院議員の決断にも影響を与えたとみられます。向山議員は、「石破総裁の下で初当選した身として、こうした要求をするのは忸怩たる思いもある」と述べつつも、政策実現のため要求を決断したことを明かしました。麻生最高顧問は5日夜、茂木敏充前幹事長と都内で会談し、前倒し総裁選への対応について意見交換を行っています。

党内改革と派閥解消への課題

しかし、こうした動きに対しては冷ややかな見方も存在します。平将明デジタル担当大臣は、「党全体で派閥をなくし、党を改革しようとしている中で、派閥を残した人たちが得をするとか、流れをつくるということでは、自民党が先祖がえりをしてしまう」と批判的な見解を示しました。党内では総裁選前倒しを巡る議論が白熱する一方で、党のあり方や改革の方向性についても深い議論が求められています。

結論

自民党内における総裁選前倒し要求の加速は、石破総理の求心力と党内の安定に大きな影響を与えています。現役閣僚の表明、有力派閥の動き、そして若手議員の苦悩が交錯する中、党が今後どのような選択をするのか、その動向は日本の政治情勢を大きく左右することになるでしょう。

参考資料