【ワシントン=池田慶太】米国のトランプ大統領は4日、欧州各国首脳やウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領らと電話で会談した。ロイター通信によると、トランプ氏はウクライナ侵略を続けるロシアへの追加制裁を巡り、ロシア産原油の購入を断つよう欧州側に求めた。原油の最大輸入国である中国に経済的圧力をかけることも要請したという。
電話会談は、ロシアによるウクライナ再侵略を防ぐ「安全の保証」を話し合う有志連合の首脳会議に続いて開かれた。同通信によると、トランプ氏は電話会談で、ロシアが過去1年間に欧州への原油輸出で11億ユーロ(約1900億円)を稼いだと指摘し、「欧州は戦争に資金を提供している露産原油の購入をやめねばならない」と述べた。欧州側が戦争終結に真剣かどうか疑問だとの認識も示したとしている。
欧州連合(EU)は、対露制裁の措置としてロシア産エネルギーの輸入を段階的に減らしているものの、消費の多くをロシア産に頼るハンガリーやスロバキアに配慮し、パイプライン経由で輸送される石油の一部については例外を認めている。
フランスのマクロン大統領は電話会談後、記者団に「ロシアが和平交渉を拒否し続けるなら、米国と協力して追加制裁を科す」と明言した。会談では、対露制裁やロシアと取引のある国への2次制裁に関し、米欧が連携を確認したと述べた。