【岩田由記夫の音楽の明日】ビートルズのDNA

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 1960~70年代の多くのロック、ポップスが、時代の波に洗われ、消え去る中、ザ・ビートルズはいまだに若者にも愛されるポップアイコンであり続けている。彼らの音楽は拡散し、DNAのごとく、さまざまなミュージシャンに影響を与え続けている。そういった現象は、ビートルDNAとかビートリッシュと呼ばれている。

 そんなビートルDNAを持った曲を41曲集めた「パワー・トゥ・ザ・ポップ」という2枚組CDが、洋楽不況といわれる中、スマッシュヒットを記録している。

 ビリー・ジョエルやオアシスといったスーパースターから、「超」の付くマニアでさえも知らないミュージシャンもコレクションされている。

 音源は70年代から2000年代まで広く集められているが、時代差による音色の違いはほとんど感じさせない。

 ザ・ビートルズのリアルタイムを知らない若い洋楽ファンは、このCDに収められた曲がザ・ビートルズの未発表曲だといわれたら、信じてしまうだろう。それほど、ここに集められた楽曲のビートルDNAは濃い。

 企画したソニー・ミュージックレーベルズの洋楽部ゼネラルマネージャー、白木哲也氏は「ソニー・ミュージックに入社した約30年前からこの企画を上申していましたが、没にされてきました。ビートルDNAを求める時代の要求が強くなり、ようやく実現した日本オリジナル企画CDです」と語る。所属レーベルの異なるミュージシャンたちの許諾を得るのは、大変な作業だったとも。

 このCDは、ザ・ビートルズのリアルタイムを経験していない世代だけでなく、リアルタイムを知るオールド・ビートル・ファンにも聴いていただきたいと思う。

 まるで、彼らの新曲集を聴いているようなワクワク感を体験できるからだ。ザ・ビートルズのファンが喜ぶ究極のコンピレーションといえる。(音楽評論家)=毎月第3火曜日掲載

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