韓国・釜山(プサン)の著名な観光地、海雲台(ヘウンデ)周辺で、屋台のおでんが1本3000ウォン(約318円)という高価格で販売されていることに対し、観光客や地元住民から「ぼったくりだ」との激しい非難が巻き起こっています。この問題は、旅行者の消費行動や韓国観光のイメージにも影響を与えかねないと懸念されています。
YouTube動画が火付け役:「やりすぎでは?」と価格に疑問の声
この騒動の発端は、YouTubeチャンネル「トゥカビ」が先月中旬に公開した動画「釜山の屋台おでん価格。3000ウォン?やりすぎでは?ぼったくり!」でした。動画配信者が海雲台の屋台で「おでんはいくらですか」と尋ねると、店主は即座に「3000ウォン」と回答。配信者が「何本で3000ウォンですか」と念のため確認すると、驚くべきことに「1本3000ウォン」との返答でした。
同行者たちは「聞き間違いではないのか」「おでん1本3000ウォンならビルが建つ」と呆れた様子を見せました。試しに1本試食した配信者は、その味を「どこにでもある普通のおでんの味」と評し、特別に高価である理由が見当たらないと指摘しています。
釜山海雲台の屋台で3000ウォンで販売されるおでん(練り物)
他の屋台も同額、強気な店主の態度と観光客の嘆き
配信者が別の屋台でも価格を調査したところ、すべてのおでんが1本3000ウォンで横並び販売されていることが判明しました。価格が高いと指摘された屋台の店主は、「ものが違う。食べてから言ってくれ」と強気の姿勢を崩さなかったといいます。同行者は、家族連れで来た場合の負担を憂慮し、「子どもが4本食べたら1万2000ウォンになる。本当に大変だ」と嘆きました。このような価格設定は、特に予算を気にする家族旅行者にとって大きな負担となり、不満の原因となっています。
ネットユーザーからの厳しい声:観光地価格が国内旅行を敬遠させる
この映像が公開されると、インターネット上ではネットユーザーからの批判が殺到しました。「地元民だが、あんな屋台では絶対買わない。観光地から少し離れたら安くておいしいおでんがある」といった地元からの声や、「外国人の友人が二度と釜山に行かないと言ったのは、ここのぼったくりのせいだ」という国際観光への悪影響を指摘する意見が見られました。さらに、「国内旅行が敬遠される理由がこれだ」と、韓国国内の観光離れに繋がる可能性を示唆するコメントも多く寄せられています。高額な観光地価格は、短期的な利益に繋がるかもしれませんが、長期的に見れば観光地の魅力や信頼性を損なう結果を招くという懸念が広がっています。
観光客や市民からの「ぼったくり」との声が上がるおでんの高価格問題は、釜山の観光イメージだけでなく、韓国全体の観光産業にも負の影響を与えかねません。適正な価格設定と質の高いサービスが、持続可能な観光の発展には不可欠であるとの認識が強まっています。
KOREA WAVE/AFPBB News