大学に通う息子を持つ一人の母親が、年間1万2000ドル(約175万円)にも及ぶ学生寮の費用を「無駄」だと感じ、息子のためにタウンハウスを購入するという思い切った決断を下しました。このサウスカロライナ州の不動産エージェント、リーアン・カーズウェル氏(51歳)は、単に家賃を支払うのではなく、将来的に利益を生む可能性のある不動産投資を選択。この賢明な決断は、多くの親が直面する高額な教育費と住居費の問題に対し、新たな視点と実践的な解決策を提示しています。
大学生活と高騰する住居費の現実
カーズウェル氏の息子は、クレムソン大学の提携校で1年を過ごした後、2年次からクレムソン大学本体に進学し、キャンパス内の学生寮で生活を始めました。当初、息子は3人のルームメイトと部屋を共有していましたが、カーズウェル氏はこの学生寮の部屋代と食費を「無駄な支払い」だと感じていました。クレムソン大学の資料によると、2025年から2026年度の予想住居費は年間8904ドル(約130万円)に上り、これは日本の私立大学の一般的な年間学費に匹敵するほどの高額です。
昨年秋、息子が「2025年秋学期から住む場所を探し始める必要がある」と告げた際、ルームメイトたちは大学近くの高級アパートメントを検討しており、家賃は月額1000〜1200ドル(約15〜17万円)、それをルームメイトとシェアする予定でした。この高額な家賃負担に対し、カーズウェル氏は単に金を捨てるような支出を避けたいと考えました。
リーアン・カーズウェル氏、クレムソン大学に通う息子のためにタウンハウスを購入。学費と住居費の節約策として不動産投資を選択。
賢明な戦略:賃貸ではなく不動産購入を選ぶ理由
家賃を支払うことは、その場しのぎの費用であり、将来的には何も残らない「消費」です。これに対し、不動産を購入することは、資産を形成し、潜在的な収益を生み出す「投資」と考えることができます。カーズウェル氏は、この違いを明確に認識し、息子が大学生活を送る期間に、住居費を単なる支出で終わらせず、資産として残す道を選びました。彼女は、子どもが学校に通っている間に不動産を購入した人の話を聞いたことがあり、実際、アンダーソン大学の学生の親が所有する物件の売却を仲介した経験もありました。その親は3〜4つの部屋を貸し出し、最終的にわずかながら利益を出していました。
資産形成と将来の収益を見据えた投資
カーズウェル氏自身も不動産エージェントとしての専門知識と経験を活かし、このタウンハウスの購入が、息子が大学を卒業する際に売却益をもたらすか、少なくとも損益トントンになることを期待しています。これは、高額な大学の住居費を単なる負担と捉えるのではなく、賢明な不動産投資を通じて、将来の資産形成に繋げるという革新的なアプローチです。単に住む場所を提供するだけでなく、子どもの教育期間を利用した長期的な視点での資産運用戦略と言えるでしょう。
まとめ:教育費と住居費における新たな選択肢
リーアン・カーズウェル氏の事例は、大学生の住居費という課題に対し、不動産購入という形で新たな解決策を提示しています。高額な家賃を「無駄」と捉え、それを資産形成の機会に変えるという発想は、多くの親や家庭にとって示唆に富むものです。単なる家賃の支払いではなく、将来的な売却益や資産価値の維持を見込むこの戦略は、教育費の負担軽減だけでなく、賢明な資産運用としても注目に値します。
参考文献
- Yahoo!ニュース: 大学生の息子へ「一軒家」を購入。年175万円の学生寮費を”無駄遣い”しないため。もしかしたら利益が出るかもしれない. (https://news.yahoo.co.jp/articles/0a8ef1c7091e608a7fbc3e3739bd582e7f419314)