高市早苗首相、G20「服装論争」で物議 GEZANマヒトゥが痛烈批判

高市早苗首相(64)が11月7日の衆院予算委員会で行った“台湾有事”に関する答弁を機に、日中関係の緊迫化が懸念される中、21日にXへ投稿した内容が波紋を呼んでいます。特に人気ロックバンド「GEZAN」のボーカル、マヒトゥ・ザ・ピーポー氏からの痛烈な批判は、日本の外交姿勢と政治家の発信のあり方に一石を投じています。

高市首相のG20出席と「服装選び」の投稿

高市首相は21日、Xで南アフリカで開催されるG20ヨハネスブルグ・サミットへの出発を報告しました。片道21時間、足掛け4日間の出張となる中、首相が投稿で明かした「ある苦悩」が注目を集めました。それは「洋服選び」です。この話題は、14日の参院予算委員会で参政党の安藤裕議員(60)からの問いかけに端を発しています。安藤議員は、「日本の最高の生地を使い、最高の職人さんが作った服でしっかりと外交交渉してもらいたい。安物の服で対応したらなめられる」と主張し、国益を損なうことになると念を押しました。

これに対し、高市首相は当初、「身を切る改革と言っている限り、議員歳費の範囲内で恥ずかしくない格好をする」と返答していました。しかし、Xの投稿では、安藤議員の指摘に「一理ある」と感じたとし、「安物に見えない服」「なめられない服」を選ぶのに数時間を費やしたと告白。最終的には「手持ちが少なく、皆様が見慣れたジャケットとワンピースの組み合わせで荷作りを終えましたが…。外交交渉でマウント取れる服、無理をしてでも買わなくてはいかんかもなぁ」と綴っています。
G20サミットへ出発する高市早苗首相の姿G20サミットへ出発する高市早苗首相の姿

SNSで広がる波紋と賛否両論

この高市首相の投稿はSNS上で瞬く間に拡散し、大きな波紋を呼びました。Xでは「外交の場で『なめられたくない』『マウントを取りたい』という考えは不適切ではないか」との声が相次いでいます。G20が世界経済の安定的かつ持続可能な成長を目指す協力フォーラムであることから、「まるで勝負するような考えは相応しくない」と感じる意見が多く見られました。

一方で、ネットニュースのコメント欄などでは「服装は大事」「なめられないような格好をするべき」といった擁護の声も上がっています。重要な場面だからこそ、洋服選びには慎重になってほしいという主張であり、どちらの立場からも、高市首相には外交をきちんとこなしてほしいという共通の思いが根底にあるようです。

GEZANマヒトゥ・ザ・ピーポーが「国のトップの資質」に疑問

こうした議論が続く中、若者を中心に絶大な人気を誇るバンド「GEZAN」のボーカル、マヒトゥ・ザ・ピーポー氏が、高市首相の姿勢に対し痛烈な批判を展開しました。2009年に大阪で結成されたGEZANは、激しいロックサウンドで多くのリスナーから支持されており、フジロックフェスティバルへの出演や、2024年には初の中国ツアーを成功させています。来年3月には自身初となる武道館公演も控える、日本の音楽シーンを牽引する存在です。

マヒトゥ・ザ・ピーポー氏は22日、高市首相のX投稿を引用し、「マジでシンプルになんでこんなバカが国のトップなの?センス磨いてやるからGEZANの武道館こいよ。前売りかいとくから」と怒りをあらわにしました。さらに、“台湾有事”に関する発言にも言及し、中国にもGEZANのファンがいることに触れながら、「そういう繋がりを断ち切りかねない高市総理の危険な感覚に警戒しない方がおかしくない?君の上司が危うかったら疑うだろ?」とコメント。自身の音楽活動にも関わる切実な問題として、「わたしにとっては切実な音楽活動の範疇なんだ。わたしの友達を汚すな。そして誰一人として感性の旅を邪魔されたくない」と強い言葉で訴えました。

高市首相の外交における「服装」と「台湾有事」を巡る一連の発言は、政治家の公的な発信のあり方、そして国際社会における日本の立ち位置について、広範な議論を巻き起こしています。人気アーティストからの直接的な批判は、この問題が単なる政治論争に留まらず、文化や市民生活にも影響を及ぼす可能性を示唆しており、今後の動向が注視されます。