9月5日、京都府内の中学校教師である松岡寿俊容疑者(39)が、勤務する学校で女子生徒の着替えを盗撮したとして逮捕されました。この事件は、名古屋市の小学校教員らが女子児童の盗撮画像をSNS上のグループで共有していた事件を受け、文部科学省が全国の都道府県教育委員会に「服務規律の徹底」を通知したわずか2ヶ月後の出来事です。教育現場における教員による盗撮事件は後を絶たず、社会に深刻な不信感を広げています。
中学校教師による盗撮事件が相次ぐ教育現場の現状を示すイメージ
女子生徒の着替えを狙った犯行の詳細と経緯
性的姿態撮影処罰法違反の疑いで逮捕された松岡寿俊容疑者は、「動画は確認していないので、撮影されているかはわかりません。ただ、女子生徒の下着を撮影するためにカメラを設置したことは間違いありません」と供述しているといいます。事件は9月5日の午後1時40分から2時20分ごろに発生。松岡容疑者は勤務する中学校の教室の隅にモバイルバッテリー型の小型カメラを設置し、5人の女子生徒が着替える様子を盗撮したとされています。
当時の状況について社会部記者は次のように語っています。「犯行は体育の授業中に起こりました。着替えが行なわれ、授業が終わった放課後の清掃時間、生徒が教室の隅に置かれたモバイルバッテリー型カメラに気づきました。生徒は不審に思い教員に報告し、その教員がすぐに管理職に報告したことで警察への通報に至ったのです。カメラには設置をする際の容疑者自身の姿も映っていたとされ、他にも被害がないかを含め現在捜査が進められています。」
「問題行動なし」とされた中堅教師の実像
今回の事件を起こした松岡容疑者がどのような教員だったのか、長岡京市教育委員会が取材に応じました。「当該の教員は事件を起こした中学校に7年間ほど勤務しており、これまで問題のある行動はなかったと報告を受けております。現在は担任はもっておらず、数学の教師として勤務しておりましたが、勤務態度も良好で、年齢的にも職員の中堅を担うような立場でもあったとのことです。そのため、学校側も今回の事件に大変ショックを受けているような状況でした」と説明しています。長年にわたり教育現場で信頼されてきた中堅教員による犯行は、学校関係者だけでなく地域社会にも大きな衝撃を与えています。
不自然な「モバイルバッテリー」が明るみに出した教員の闇
今回の事件では、教室の隅に置かれていたモバイルバッテリー型のカメラが生徒によって発見されました。その状況について長岡京市教育委員会はさらに詳しく説明しています。「そもそも学校にモバイルバッテリーを持ってくる生徒はほとんどいませんから、教室にモバイルバッテリーが置かれているということ自体が不自然ではあります。だからこそ、見つけた生徒も不審に思い教員に報告をし、その教員もふだん教室にある物ではないとすぐに管理職に伝えました。当然、教師にとってもモバイルバッテリーは教室内では不必要な物ですし、不自然な状況かと思います。特に今は、少しでも怪しい物については警察と連携するというのが基本的な対応になっています」と、不審物の早期発見と情報共有の重要性を強調しました。
結び
京都の中学校で発生した教員による盗撮事件は、文部科学省の通達後も依然として続く教育現場の課題を浮き彫りにしました。長年信頼されてきた教員が起こしたこの事件は、児童生徒の安全を守るための学校の取り組みや、教員の服務規律の徹底がどれほど重要であるかを改めて示しています。教育現場に関わる全ての関係者が、より一層の警戒心と厳格な管理体制を築き、同様の事件の再発防止に努めることが強く求められています。