【沖縄取材の現場から】10式戦車は登場せず 沖縄の陸自祭で見えた自衛隊の状況





陸上自衛隊第15旅団の観閲式であいさつした国民民主党の屋良朝博衆院議員=11月24日、那覇市の那覇駐屯地(杉本康士撮影)

 那覇市の陸上自衛隊那覇駐屯地で11月24日に行われた「陸自祭」は見どころ満載だった。沖縄県で自衛隊が置かれている状況を推し量る材料が随所に見られたからだ。

 陸自のCH47大型輸送ヘリコプター、軽装甲機動車、米海兵隊の水陸両用車AAV7…。会場では多種多様な装備が展示され、多くの県民が記念撮影したり、体験搭乗を楽しんだ。だが、今年も来場者が目にできなかった装備がある。陸自の主力戦車である10式戦車だ。

 那覇に駐屯している陸自第15旅団に戦車は配備されていないが、陸自ファンからの要望もあり、10式戦車の「沖縄上陸」は数年前から調整が進められていた。今年は沖縄県側の了解も得られ、いよいよ実現するかと思われたが、結局10式戦車は登場しなかった。

 この背景について、自衛隊関係者は「中央(政府)が認めなかった」と解説する。10式戦車の持ち込みは昨年も検討されたものの、菅義偉官房長官が首を縦に振らなかったという。「背広組」と呼ばれる文官幹部が菅氏に判断を仰いだが、その際に10式戦車を沖縄に持ち込めば反自衛隊感情を刺激しかねないと説明したのではないか-。自衛隊内には「背広組幹部が菅氏に否定的な進言をしたに違いない」と疑う声が根強い。

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