【ワシントン=池田慶太】米国のキャロライン・レビット大統領報道官は9日、カタールの首都ドーハに拠点を置くイスラム主義組織ハマスの幹部を標的としたイスラエルの軍事攻撃について声明を発表し、「主権国家であり米国の緊密な同盟国であるカタールの国内を一方的に爆撃することは、イスラエルや米国の目標の達成に何ら貢献しない」と懸念を示した。
レビット氏は同日の記者会見で声明を読み上げた。カタールがパレスチナ自治区ガザの停戦交渉で仲介役を担っていることに触れ、「トランプ大統領はカタールを強力な同盟国であり友人とみなしている。この攻撃の場所について、ひどく残念に思っている」と述べた。
ただ、「ハマスの排除は価値ある目標だ」とし、攻撃への直接的な非難は避けた。「大統領は、この不幸な出来事が平和への機会となると信じている」と述べ、「カタールとイスラエルを含む地域の全ての同盟国と友好国が平和を追求することを期待している」と強調した。
攻撃の後、トランプ氏はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と電話で会談した。トランプ氏はカタールのタミム・ビン・ハマド・サニ首長らとも電話会談し、「カタールの土地では二度とこのようなことは起こらない」と約束したという。