元衆議院議員の杉村太蔵氏が、テレビ番組「大下容子 ワイド!スクランブル」に出演し、日本の首相が短期間で交代する現状について「恥ずかしい」という自身の見解を明かしました。この発言に対し、ある中国人から返された言葉に「深い」と感じたエピソードが、日本の政治体制と他国のそれとの比較において注目を集めています。
国際情勢における長期政権の潮流
番組では、世界主要国の指導者における長期政権の動向が紹介されました。中国の習近平国家主席は、2018年の憲法改正により、本来2期10年とされていた任期制限を撤廃しました。同様に、ロシアのプーチン大統領も2020年の憲法改正を通じて、2036年まで続投が可能になる道を開いています。これらの動きは、安定した、あるいは長期にわたる指導体制を志向する国の事例として提示されました。
また、習近平国家主席がプーチン大統領らとの非公式な会話の中で、人間の寿命について「今世紀には150歳まで生きられる可能性がある」と語ったという逸話も紹介されました。この発言は後に中国側から通信社に削除要請が出されたものの、指導者の寿命と政権のあり方に関する示唆的なエピソードとして語られています。
杉村氏が感じた日中の政治観の相違
司会の大下容子氏が、習氏とプーチン氏が共に72歳であることに触れ、杉村氏にコメントを求めました。杉村氏は、「日本にいる感覚とはだいぶ違う」と前置きし、150歳まで生きるという発言から「永遠に支配下におきたい」という権力者の思惑を国民が感じるのは無理もないのではないかと、慎重に言葉を選びながら見解を述べました。
杉村太蔵氏、テレビ番組で日本の政治体制と中国の長期政権を比較論じる
さらに杉村氏は、ある中国人との会話を回顧しました。彼が「日本は本当に1年に1回、総理がころころ変わって恥ずかしい」と伝えたところ、その中国人は小さな声でこう答えたといいます。「太蔵さん、それはそれで悩みかもしれないけど、変えたくても変えられない、変える手段がない、これがどんなにつらいか分からないでしょう」。この言葉を聞いた杉村氏は、「なるほどなと、深いなと思いました」と、異なる政治体制が抱える根本的な課題について深く考えさせられたことを明かしました。
結論
日本の首相が頻繁に交代する状況は、民主主義国家における権力の流動性を示す一方で、安定性という観点から様々な議論を呼びます。杉村太蔵氏の体験は、この「流動性」を「恥ずかしい」と感じる日本人と、指導者を「変えたくても変えられない」という他国の苦悩との間に存在する、政治観の深遠な隔たりと共通の人間的感情を浮き彫りにしました。この「深い」洞察は、国際社会における多様な政治体制のあり方を理解する上で、重要な示唆を与えています。
参考文献
- 杉村太蔵氏、日本の首相がころころ交代を「恥ずかしい」と言ったら…中国出身人物の反応に「深い」 (デイリースポーツ, 2025年9月10日)
- 【写真】総理がころころ交代する日本 今度は誰に?ポスト石破候補【一覧】 (デイリースポーツ, 2025年9月9日)