3連休の最終日、東京都足立区で起きた盗難車によるひき逃げ事故。11人が死傷する大惨事だったにもかかわらず、警視庁が車を窃盗した容疑で逮捕した男の氏名を発表していないことから、ネット上では「外国人による犯行」と決めつけた虚偽の投稿が拡散されている。男は精神疾患で通院歴があることが確認されており、警視庁は責任能力を問えるかどうか慎重に調べている。
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ブレーキ痕なしで300メートル暴走
事故が起きたのは11月24日午後0時半頃。場所は足立区梅島の国道4号線沿いで、大手家具チェーン「ニトリ」が構える人通りの多い路上だった。
暴走したのは白いクラウン。まず横断歩道上で20代女性をはねた後、そのまま車道を90メートルほど走行してから歩道に乗り上げ、100メートル走行して4人の歩行者をはねた。そして再び車道に戻り、複数台の車に衝突して最後はトラックに追突して止まった。最初の接触から止まった場所までの距離は約300メートルで、ブレーキ痕はなかった。
事故を起こした車は、追突して止まった位置から進行方向約700メートル先にある中古車販売店から盗まれたものだった。
「スマートキーがドアボックスに入ったまま鍵がかかっていない状態で展示されており、10時半頃、車を購入したいと2度来店したことのある男によって盗まれた。男はこの日、店員とは一言も話さないまま、いきなり車を盗んで走り去っており、来店してから犯行まではわずか2分間でした」(社会部記者)
逃亡するも自宅で発見
店はすぐさま110番通報し、警察が男の行方を捜していた。事故が起きたのはまさに警察車両が追尾し、ちょうど停車を求めるため、サイレンを鳴らし赤色灯をつけ始めたタイミングだった。
「警察の追尾に気付いてパニックになった可能性もあります」(同)
男は衝突事故を起こすと車を乗り捨て立ち去った。午後1時頃、近くの自宅にいるところを警察に発見され、任意同行を求められた。過去の来店時、店側に自宅住所を知らせていたことから、スピード確保に至ったようだ。






