公明党との連立解消をきっかけに混沌とする日本の政局は、いよいよクライマックスを迎えようとしています。自民党の高市早苗氏(64)が首相の座に就く可能性が現実味を帯びる中、最大野党である立憲民主党の野田佳彦代表(68)は「十数年に一度の政権交代のチャンス」と意気込み、日本維新の会や国民民主党との大同団結を模索していました。しかし、その思惑は複雑な思惑と電撃的な動きによって大きく揺らいでいます。
野党共闘の試みと挫折:立憲民主党・野田代表の政権交代への夢
昨年の首班指名で石破茂氏(68)に敗れた教訓から、野田氏は今回、野党統一候補として国民民主党の玉木雄一郎代表(56)を擁立しました。10月15日には野田氏が玉木氏、そして日本維新の会の藤田文武共同代表(44)と党首会談を実施。しかし、歩み寄りが見られたものの、国民民主党とは安全保障や憲法解釈を巡る溝が埋まらず、維新の藤田氏からは「大義がない」と突き返される形となりました。
維新の「電撃的な動き」:自民党との政策合意の背景
野党会談が決裂した後、日本維新の会は自民党と政策協議で合意。首班指名では「高市早苗」氏に投票すると示唆しました。この場合、自民党の196議席に維新の35議席を加え、合計231議席となります。これに無所属議員や参政党などの少数政党の協力を得られれば、過半数となる233議席に到達する計算です。
高市早苗自民党総裁と協議する日本維新の会吉村洋文代表と藤田文武共同代表
この電撃的な維新の動きの背景には、ある政界関係者によると、10月14日の夜に自民党の菅義偉元首相(76)と維新の松井一郎元大阪市長(61)との間で話し合いがあったとの情報が永田町で囁かれています。高市氏は公明党との連立解消阻止を菅元首相に依頼しましたが、その時は「今回は無理」と断られていました。しかし、総裁選では別の候補を応援していた菅元首相も、自分を頼ってきた高市氏の熱意に感じ入ったようです。個人的な思いはあったものの、「最終的には自民党のため」と行動を起こした菅氏の存在が、維新の決断に大きな影響を与えたと見られています。
政治評論家が語る維新の決断:吉村代表上京の意味
日本維新の会の連立入りについて、政治評論家の有馬晴海氏は次のように解説します。「15日午前中には、永田町ではすでに維新が“自民と組む”という話が流れてきていました。その日の午後に藤田共同代表よりも“ウエイトの重い”吉村洋文代表(50)が上京してきた時点で、自民と組むことは決まっていたということです。ですので、15日の野党3党の党首会談が行われたときには、すでに維新の態度は定まっていたということですよ」。
「一寸先は闇」の永田町:政権交代へのわずかな可能性
もはや野田氏が長年抱いてきた「政権交代」という宿願は、風前の灯火にあると言えるでしょう。それでも「一寸先は闇」と評される永田町の政局では、何が起こるか分かりません。野党関係者は「可能性は低いが、大ドンデン返しがないわけではない」と、依然としてわずかながら政権交代の可能性を示唆しています。今後の政治動向から目が離せません。
参考文献
- FRIDAYデジタル, 「最終的には自民党のためにと」, Yahoo!ニュース, 2024年10月17日配信.
(https://news.yahoo.co.jp/articles/d540ecbb9971befb41a8a6e19e3beb8d8a220e9c)




