大晦日の国民的番組「第76回NHK紅白歌合戦」の司会者が発表され、綾瀬はるか、有吉弘行、今田美桜、そして鈴木奈穂子アナウンサーが務めることが明らかになりました。特に有吉弘行さんの3年連続となる司会抜擢は大きな注目を集めています。一部メディアから「またかよ」との声も上がる中、その選出背景と、視聴率への潜在的な影響について、様々な議論が巻き起こっています。
司会者選考の「NHK貢献度」と有吉弘行への疑問点
紅白歌合戦の司会者選考では、「NHKへの貢献度」が重視されます。今回司会の綾瀬はるかさんは来年の大河ドラマ語り、初司会の今田美桜さんは朝ドラ「あんぱん」ヒロインと、両者の貢献度は明確です。
一方、有吉弘行さんへの疑問の声は少なくありません。NHKレギュラーは「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」のみで、番組は「ブラタモリ」復活に伴い日曜18時台に移動、視聴率は4〜5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯)と低迷しています。8月の大河ドラマ「べらぼう」出演も主要キャストではなく話題作りの側面が強いと見られていました。
NHK実施本部長は司会陣を「いま日本のお茶の間で最も愛されているお三方」と説明しますが、有吉さんの3年連続起用がこの言葉に合致するかは異論が上がっています。
第76回NHK紅白歌合戦の司会に3年連続で選ばれた有吉弘行
紅白での「毒舌」封印の現実と司会者の役割
一部で「有吉の3度目の毒舌封印にファンがっかり」との報道もありますが、生放送の紅白は厳格な台本で進行します。時間管理上、司会者の自由度は限られ、アドリブが売りのタレントでも、過去のみのもんたさんのように、巧みな言葉遣いで台本通りを自分の言葉のように見せる熟練のテクニックが必要です。司会者キャリアが浅い有吉さんに毒舌まで求めるのは酷でしょう。
有吉司会期の視聴率低迷とその背景
有吉さんが司会を務めてからの紅白歌合戦の視聴率には懸念が示されています。初めて司会を務めた2023年は前半29.0%、後半31.9%と史上最低を記録。昨年も前半は史上最低の29.0%、後半も微増の32.7%で歴代ワースト2位でした。
前任の大泉洋さんが3年連続司会を務めた2020年初年度は、前半34.2%、後半40.3%と高視聴率でした。
有吉さんは民放で冠番組を成功させていますが、「有吉ゼミ」では水卜麻美アナ、「マツコ&有吉 かりそめ天国」ではマツコ・デラックスといった共演者が数字を支えているとの見方もあります。また、今年の紅白はNHK放送100年を締めくくる節目の年であり、有吉さんの再起用はないだろうと予測する声も聞かれました。
第76回NHK紅白歌合戦における有吉弘行さんの3年連続司会抜擢は、その選考基準、特に「NHK貢献度」や「お茶の間での人気」という公式見解と、実際の視聴率動向の乖離から、各方面で議論を呼んでいます。国民的番組として、多様化するメディア環境の中でいかに視聴者の支持を得ていくか、司会者選定がその戦略で果たす役割が、今後注目されます。
参考文献
- 有吉弘行、「紅白」3年連続司会のワケをテレビマンが忖度抜きで明かす(デイリー新潮) – Yahoo!ニュース
- ステラnet(2024年10月14日)