【北京=田中一世】河野太郎防衛相は18日午後(日本時間同)、日本の防衛相として10年ぶりに中国を訪問し、魏鳳和国務委員兼国防相と会談した。河野氏は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国公船の航行や航空機の飛行に「強い懸念を持っている」と指摘し、中国側に自制を求めた。また「ひとつひとつ懸念を解決していくことが重要で、中国側の前向きな対応を期待している」とも述べ、海洋での航行の自由や法の支配の順守を求めた。
魏氏は10年ぶりの防衛相の訪中を「非常に意義がある」とし、「両国間の防衛分野における交流の絶えざる発展を推進したい」と強調した。
会談では、自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を回避する仕組み「海空連絡メカニズム」も議論する。緊急時に相互に意図を確認するための防衛当局間のホットライン開設に向け、協議の進展具合も焦点となる。