「コメは買ったことがない」江藤拓氏が農業改革委員長に 橋下徹氏は「自民党らしい良いやり方」と評価

今年5月、「コメは買ったことがない」という発言で農相を更迭された江藤拓前農相が、自民党が新たに立ち上げる「農業構造転換推進委員会」の委員長に就任する見通しとなり、その人事の背景と波紋が注目されています。この決定に対し、元大阪府知事の橋下徹氏がテレビ番組で自身の見解を示し、議論を呼んでいます。

橋下徹氏が江藤拓氏の農業改革委員長就任について意見を述べる様子橋下徹氏が江藤拓氏の農業改革委員長就任について意見を述べる様子

江藤拓氏の過去の失言と新委員会委員長への就任

江藤拓氏は、今年のコメ不足が懸念される中で「コメは買ったことがない」と発言し、国民の生活実態との乖離を指摘され、農林水産大臣を更迭されました。しかし、その江藤氏が今度は、コメ対策を含む農業構造改革を推進する新たな組織のトップに就任する見込みとなったことで、世論からは疑問の声が上がっています。一部では、かつての失言を鑑みると「不適切ではないか」との批判も聞かれます。

芸能界からの賛否両論

この江藤氏の人事に対し、著名人からも様々な意見が表明されています。漫才コンビ「ハイヒール」のリンゴ氏は、カンテレの番組「ドっとコネクト」で「そのセンスのなさ!こうなるのが分かっててやるっていうのが、なんていうかセンスないですよね」と、自民党の判断に驚きと疑問を呈しました。

一方で、同番組に出演した弁護士の橋下徹氏は、この人事を「自民党らしいやり方で、すごい、いいやり方なんですよ」と擁護しました。橋下氏は、消費者側としては農業改革を望む声があるとしつつも、農家の声も不可欠であると指摘。江藤氏が「バリバリ農家さんの声を代弁する人」であるため、彼を委員長に据え、その上で小泉進次郎氏や石破茂氏らが議論を戦わせ、最終的に石破氏が決定すれば良いという見解を示しました。これにより、「ちゃんと農家さんの意見も聞きましたよ」という形になると説明しています。

また、タレントの山田邦子氏は、政治家の中には「買い物なんかしたことない」いわゆる「お坊ちゃん」が多く、コメの価格に限らず「いろんなことが分かってない人が、そういうのになっちゃってる」現状を批判し、根本的な問題提起を行いました。

結論:多様な視点から見た江藤氏の役割と農業政策の今後

江藤拓氏の「農業構造転換推進委員会」委員長就任は、過去の失言と相まって賛否両論を巻き起こしています。リンゴ氏や山田氏が指摘する国民感情や生活実態への配慮の欠如は、政治家が直面する大きな課題です。一方、橋下氏が分析するように、この人事が自民党内の政治戦略、特に農家の意見を政策に反映させるための布石である可能性も否定できません。最終的な政策決定が江藤氏側の意見を強く反映するのか、それとも小泉氏や石破氏が推進する改革路線に傾くのかが注目されます。日本の農業政策の行方には、消費者と生産者の双方の声がどのようにバランスされるかが問われることになります。

参考文献