【モスクワ=力武崇樹】日露両政府は18日午前(日本時間同午後)、貿易経済に関する政府間委員会をモスクワで開き、茂木敏充外相とロシアのオレシキン経済発展相は医療やエネルギーなど8項目の対露経済協力のうち、極東地域の開発を具体化させる方針で一致した。茂木氏は19日にはラブロフ露外相と会談し、懸案の北方領土問題などについて意見を交わす。
茂木氏は委員会後の共同記者発表で「極東での日露協力の可能性を開花させるため、具体的な取り組みを促進する」と述べた。オレシキン氏は「8項目の経済協力への日本企業の参画を歓迎する」と一層の関係強化に期待を込めた。
対露経済協力は、感染症診断システムの共同開発や液化天然ガス(LNG)開発など、8項目全体で計200超のプロジェクトが誕生しており、両氏はさらなる協力拡大に向け、協議を継続することも確認した。
日本側から、東京電力福島第1原発事故を受けた日本産食品の輸入規制の早期撤廃も重ねて要請した。