天皇、皇后両陛下の長女である愛子さまは、2025年11月17日から22日まで、初の海外公式訪問としてラオスを訪れました。この訪問は、日本とラオスの外交関係樹立70周年を記念し、ラオス政府からの招待を受けて実現したものです。帰国後、愛子さまは宮内庁を通じて「今回の私の訪問をきっかけとして、これまで多くの方々により築かれてきた交流の絆が更に深まっていくとともに、日本とラオスの将来の交流の輪がより大きく広がっていくこととなれば幸いです。今回は私にとって初めての外国公式訪問でしたが、ラオスの国民の皆様の温かい人柄やお心遣いにより、充実した心に残る訪問となりました」と感想を述べられました。
歴史的訪問の概要と要人表敬
愛子さまは、11月18日にラオスの首都ビエンチャンに到着し、国家主席府でトンルン国家主席を表敬訪問されました。ラオスの伝統的な民族衣装を身にまとわれた愛子さまは、「ラオス国民の皆様に温かくおもてなしいただき、とてもうれしく思います」「両国の友好関係の増進に力を尽くしてくださり、心から敬意を表します」と述べられ、両国の友好関係の重要性を強調されました。この訪問は、愛子さまにとって国際舞台での初めての公務であり、その一挙手一投足が注目されました。
ラオスを公式訪問し、現地の民族衣装を着用した愛子さま
晩さん会でのスピーチと両国の深い絆
同日夜には、ビエンチャンのホテルでパーニー国家副主席主催の晩さん会が開催され、愛子さまが出席されました。晩さん会には、ラオスと日本の政府関係者ら約50名が参加。愛子さまは、ご自身の「おことば」を何度も修正して本番に臨まれたと報じられています。和服姿で臨まれたスピーチでは、ラオスの豊かな文化と歴史への敬意、そして両国の揺るぎない友情について語られました。
愛子さまはスピーチの中で、「ラオスには、豊かなメコン川の恵みと共に、国民の生活に根づいた古くからの伝統文化が残されているとうかがっております。本日の午前中に訪れた凱旋門やタートルアン大塔では、市内を一望した際の雄大な眺めや、誇りある歴史と人々の祈りの場の荘厳な雰囲気に心を打たれました」と、現地で受けた感銘を共有されました。また、2012年にラオスを訪問された天皇陛下(当時は皇太子殿下)の思い出にも触れ、「父からは、ラオスの人々の温かさや、メコン川の恵みを受けた豊かな文化と美しい景色が特に印象深かったと聞いています」と述べられました。
さらに、両国の絆を深める出来事として、2011年の東日本大震災の際にラオス政府と国民から寄せられた温かい支援に深く感謝の意を表しました。「東日本大震災の当時、私はまだ小学生でしたが、ラオスの方々からの心温まる支援について後に知り、両国の人々の結びつきが一層深まった出来事として心を動かされるとともに、長く記憶にとどめていきたいと思っております」と述べ、記憶に残る支援の重要性を強調しました。
スピーチの結びには、若い世代が両国の架け橋となり、未来へと友情を繋いでいくことへの希望が込められました。「私たち若い世代が先人たちの歩みを受け継ぎ、両国の懸け橋となって、ラオスのチャンパーや日本の桜のように、美しい花を咲かせていくことができればと思います。この機会に、日本・ラオス両国において、お互いの国への理解や関心がより一層高まり、果てしなく続く悠久のメコン川の流れのように、どこまでも発展していくよう願っています」と、両国のさらなる発展を祈念し、「コー・コープ・チャイ・ラーイ、ニョック・チョーク(どうもありがとうございました。乾杯いたしましょう)」とラオス語で締めくくられました。
友好関係の未来への期待
愛子さまのラオス公式訪問は、日本とラオスの長年にわたる友好関係を再確認し、将来にわたる交流をさらに深める重要な機会となりました。両国の歴史的絆と相互理解が、今後もメコン川の流れのように絶え間なく発展していくことが期待されます。





