2025年12月17日、奈良市議のへずまりゅう氏が長野県の小学校へねぎ100本を寄付する活動を行い、自身のX(旧ツイッター)で報告しました。この行動に対し、インターネット上では「立派な行動だ」「やることがズレている」といった賛否両論が巻き起こっています。本稿では、この話題の背景にある事実と、ネットユーザーの声から浮かび上がる議論のポイントを深掘りします。
長野県の小学校で起きた「ねぎ盗難事件」の概要
事の発端は、12月12日に長野県松本市にある岡田小学校で発生したねぎの盗難事件でした。児童たちが丹精込めて育てていた特産の「松本一本ねぎ」約100本が何者かに盗まれる被害に遭い、子どもたちは深い悲しみに包まれました。この事件は地域のニュースとしても大きく取り上げられ、収穫直前だったねぎの損失と、学校周辺の畑にも被害が及んでいることが報じられています。岡田小学校は警察に被害届を提出しており、窃盗容疑での捜査が進められています。
へずまりゅう氏の「ねぎ100本寄付」とその意図
ねぎ盗難のニュースから5日後の12月17日、へずまりゅう氏は岡田小学校を訪問し、ねぎ100本を寄付しました。彼は自身のXで、「児童栽培のネギが100本盗まれ子供たちが悲しんでいると聞き長野県の小学校にネギを寄付して参りました」と報告。さらに、「子供たちの前で挨拶をさせていただきましたが皆んな明るく元気な顔が見れて少し安心しました」と述べ、子どもたちの心を少しでも救いたいという思いがあったことをうかがわせました。
奈良市議へずまりゅう氏、自身のXアカウントより
ネット上で巻き起こる「賛否両論」の声
へずまりゅう氏のこの行動は、インターネット上で広範な議論を巻き起こしています。
称賛の声:「行動力と優しさが素晴らしい」
彼の行動に対し、SNS上では多くの称賛の声が寄せられました。「ねぎを盗られて悲しんでいる子どもたちは喜んだはずだ。優しい大人がいてよかった」「盗まれて終わりよりは、子どもたちの気持ちも救われると思う。行動を起こせるのはすごい」といったコメントが見られます。また、「奈良市議のほうが先に動いてくれるなんて……。松本市の議員さんは見習ってほしい」と、迅速な行動力と子どもたちへの思いやりを評価する意見もありました。
批判の声:「善意の押し付け」「やることがズレている」
一方で、へずまりゅう氏の行動に対して批判や疑問の声も少なくありません。批判の主な内容は、「盗難の被害に遭ったのは生徒たちが育てたねぎだった。自分たちで育てたものを、自分たちで食べることに意味がある」という点です。「ねぎが盗まれて悲しいという話であって、ねぎが食べられなくて悲しいわけじゃない」「やることがズレてるんだよな。自分で育てたねぎだから価値があるんでしょ」といった意見が噴出しました。さらには、「愛犬が亡くなって悲しんでいる人に、新しい犬をプレゼントするような行為。『いいことした感』を出すのはやめてほしい」と、彼の行動を偽善的だと指摘する厳しい声も上がっています。
過去にも物議を醸したへずまりゅう氏の「寄付活動」
へずまりゅう氏は、今回に限らず自身のXで寄付活動を報告するたびに賛否両論を巻き起こしてきました。直近では、12月9日に青森県八戸市で発生した震度6強の地震の翌日にも、「怪我をして動けない方に物資をお届けしています」と報告し、使い捨てカイロを手にした写真を投稿しています。この際も、「行動力が素晴らしい」「過去にいろいろあった人だけど、単純にすごいと思う」といった称賛の声があった一方で、「まず奈良市議としての仕事をしろ」「勝手に動いたら被災地に迷惑。目立ちたいだけの行動はやめて」など、彼の動機や行動の適切性に対する手厳しい意見も寄せられていました。
まとめ:へずまりゅう氏の行動から考える「真の支援」
へずまりゅう氏の「ねぎ100本寄付」は、その善意自体は評価されるべきでしょう。しかし、受け手側の「子どもたちが自分たちで育てたねぎ」という特別な価値を理解しないまま行われたことで、純粋な支援とは異なる受け止められ方をしてしまいました。彼の行動力や困っている人を助けたいという気持ちは本物かもしれませんが、その方法やタイミングが、時として受け手の真のニーズとずれが生じ、物議を醸す結果となっています。今後、彼の善意や行動力が、奈良市民ひいては社会全体のために、より効果的かつ真に役立つ形で発揮されることを期待したいところです。





