テレビ不況を乗り越えろ!公営ギャンブル市場に続々参入する企業と芸能プロダクション

テレビ業界の不況が深刻化し、制作費の減少が続く中、多くの企業や芸能プロダクションが新たな活路として公営ギャンブル事業への参入を加速させています。特にオンラインでの車券・舟券購入が定着し、売り上げが年々伸びている公営ギャンブル市場は、エンターテインメント業界にとって魅力的な「美味しい仕事」と化しています。IT企業の独壇場だった市場に、映像制作会社や芸能プロダクションが本格的に乗り出し、激しい競争が繰り広げられています。

制作会社の新たな活路:『Betimo』の挑戦

これまでIT企業が主導してきた競輪事業に、人気テレビ番組を手がける老舗制作会社「イースト・グループ・ホールディングス」の連結子会社が運営する競輪の車券販売ポータルサイト『Betimo』が11月18日からYouTube配信を開始しました。『Betimo』のYouTube配信は、夫が現役競輪選手である松丸友紀アナ(44)を進行役に、電撃引退した元トップ選手の平原康多(43)を解説役に起用し、テレビで培った映像制作のノウハウを活かした、初心者にも分かりやすい番組作りが特徴です。

ドラマ撮影中に和装で佇む吉岡里帆ドラマ撮影中に和装で佇む吉岡里帆

制作会社の倒産件数が前年度の1.5倍となるなど、テレビ不況が続く中で、企業系のYouTubeやTikTok制作に活路を見出す動きが活発化しています。公営ギャンブルはインターネット購入の普及により売り上げが伸び続けており、成功すれば桁違いの収益を上げられる可能性を秘めているため、多くの制作会社が注目しています。

業界トップ『WINTICKET』の成功戦略と新たな競争

現在、公営ギャンブルのオンライン市場で業界ナンバーワンのシェアを誇るのは、「サイバーエージェント」の連結子会社が運営する『WINTICKET』です。『WINTICKET』は後発サービスながら、人気芸人を起用したミッドナイトレース中継を「ABEMA」で毎日放送し、人気ゲームのノウハウを活かした使いやすいアプリをリリースするなど、積極的な戦略を展開。2019年のサービス開始からわずか4年で業界トップに躍り出て、2023年には純利益40億円を達成し、「サイバーエージェント」の収益の大きな柱となっています。

『Betimo』のアプリも「ドラゴンクエストタクト」で知られるゲーム制作会社「Aiming」が運営に携わるとされており、『WINTICKET』にとって強力なライバルとなることが予想されます。

芸能界も注目!タレント起用の波

公営ギャンブル事業への参入は、制作会社だけにとどまらず、芸能プロダクションの間でも加速しています。「吉本興業」は早期から公営ギャンブルに特化した営業部を立ち上げ、「SHUプロモーション」のようにボートレースタレントとして活躍する内山信二(44)が所属する事務所は、自社スタジオを設け配信事業に注力しています。

「ボートレース浜名湖」の「超盛り上げ大使」を務める高松瞳がレース予想をする様子。「ボートレース浜名湖」の「超盛り上げ大使」を務める高松瞳がレース予想をする様子。

さらに、公営ギャンブル好きを公言するアイドルも増えており、指原莉乃(33)プロデュースの「=LOVE」では、ボート好きの高松瞳(24)を部長とする「イコラブボートレース部」を設立し、YouTubeで定期的にレース動画を投稿しています。高松は「ボートレース浜名湖」の「超盛り上げ大使」に就任するなど、活動を実際の仕事に繋げています。地上波のギャラが下がる一方である現状を鑑みると、今後も公営ギャンブル市場に参入する制作会社やタレントは増加の一途を辿るでしょう。

公営ギャンブル市場の”美味しいパイ”争奪戦

テレビ不況とインターネットを介したデジタルコンテンツの需要拡大が背景にある公営ギャンブル市場は、各業界にとって新たな収益源としての重要性を増しています。IT企業、映像制作会社、芸能プロダクションといった多様なプレイヤーが参入し、市場の「美味しいパイ」を巡る競争はますます激化していくことでしょう。これは単なるギャンブル市場の拡大に留まらず、日本のエンターテインメントビジネスの構造変化を象徴する動きと言えます。

Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/acd5feac2b06908e67ae3303a79240040d719e8a