【モスクワ=小野田雄一】モスクワ中心部のロシア連邦保安局(FSB)本部周辺で19日夕、男が銃を発砲し、FSB職員1人が死亡、5人が負傷した。イタル・タス通信などが伝えた。
FSBは旧ソ連国家保安委員会(KGB)の後継機関で、プーチン大統領が長官を務めたこともある治安・情報機関の象徴的存在。
タス通信によると、FSBは発砲した男を「無力化した」としており、殺害した可能性が高い。FSBが男の身元や背後関係について捜査を進めている。
ロシアの会員制交流サイト(SNS)上には、路上で銃声が響き、通行人が逃げる様子を収めた複数の動画が投稿された。
プーチン氏は事件当時、年末恒例の記者会見を終え、クレムリン宮殿で「治安機関職員の日」を祝う行事に出席していた。プーチン氏は演説で「今年は33件のテロが未然に防がれた」などと治安・情報機関の活動を称賛していた。