安倍晋三首相と中国の習近平国家主席による会談の要旨は次の通り。
【日中関係】
首相 来春の国賓訪日を極めて重視している。日中新時代にふさわしい関係を築き上げていくために協力して準備を進めたい。地域の平和、安定、繁栄に共に大きな責任を有する両国が責任をしっかり果たしていく決意を明確に内外に示したい。
習氏 私と首相が緊密な意思疎通を保ち、中日関係を新しい段階に押し上げていきたい。小異を残して一致点を求め、積極的に協力することが、新時代の中日関係を発展させる共通戦略の手引きになる。
【尖閣諸島】
首相 東シナ海の安定なくして真の日中関係の改善なしの考えに基づき、対応を強く要請。
両首脳 東シナ海を友好の海とすべく、海洋安全保障分野の取り組みを進めていく方針を確認。
【北朝鮮問題】
両首脳 朝鮮半島の非核化に向け国連安全保障理事会決議の履行が重要との認識で一致。
習氏 中国とロシアが提案した対北朝鮮制裁緩和に関する国連安保理決議案への支持を要請。
【香港、ウイグル】
首相 香港情勢を憂慮。自制した対応と事態の早期収拾を求める。新疆ウイグル自治区の人権状況をめぐり透明性をもった説明を働きかけ。
習氏 中国の内政問題だとの認識を表明。
【邦人拘束】
首相 拘束されている日本人の早期帰国を要請。(北京 原川貴郎)