台風19号で甚大な被害を受けた栃木県栃木市は、復旧に関する取り組みのスケジュールをまとめたロードマップを策定した。被災者の生活再建、地域経済の再生、公共施設・インフラの復旧などを来年度末で完了させる。21日には、同市内に開設されていた台風19号に伴う県内最後の避難所が閉鎖。ロードマップを踏まえた工程管理を行い、早期の復旧に向けた取り組みを加速させる。
県内最後の避難所は、同市薗部町の市とちぎ西部生きがいセンター内に開設されていたが、21日に最後まで残っていた4世帯8人が退所した。仮設住宅などで年を越すことになったという。同市内の避難所で生活した被災者については、同市の担当者が退所後も訪問し、健康状態を確認する。県内ではピーク時、約2万3千人が384カ所の避難所で生活していた。
各地で処理が課題となっている道路上に出された同市の災害ごみの回収は年内で終了。仮置き場の災害ごみは来年3月末を目標にすべて処分する。また、公共施設や道路などの本格復旧は、国の査定や設計・施工に時間を要するため、工事完了は来年度末になる見込みという。
災害見舞金の通知は約7500世帯に発送済みで、被災事業所約1千件についても順次発送。床上浸水被害の対象世帯には住居に関するアンケートを実施し、具体的な支援につなげる。また今回の台風被災時の災害対応を検証し、地域防災計画やハザードマップの見直しも図る。
大川秀子市長は「市民が一日も早く日常生活に戻れるよう最大限努めていく」としている。(松沢真美)