【政治回顧】(上)亥年選挙 保守分裂で目立った「安倍1強」ほころび



記者団に第二次政権発足から7年を迎えた受け止めについて問われ、答える安倍晋三首相=26日午前、首相官邸(春名中撮影)
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 平成から令和に変わった今年は、春の統一地方選と夏の参院選が重なる12年に1度の「亥年(いどし)選挙」の年だった。参院選に勝利した安倍晋三首相は自民党総裁として国政選挙で6連勝(衆院3回、参院3回)。11月20日には首相の通算在職日数が桂太郎を抜いて歴代単独1位となり、文字通りの「安倍1強」体制を築いた。

 ただ、「選挙イヤー」を振り返れば「ほころび」も目立つ。統一選前半戦の11道府県知事選では、島根、福岡、福井、徳島の4県で保守分裂となった。前回の統一選では分裂の知事選はなかった。

 島根県知事選は、竹下亘元総務会長(県連会長)ら国会議員5人全員の支援を得た党推薦の新人が、多くの県議が推した別の新人に敗れた。島根は竹下氏の兄の故登元首相や青木幹雄元参院議員会長が築いた「竹下・青木王国」。これまで国会議員が中心となり知事選の候補者を選んできたが、今回は22人の県議のうち6割超の14人が反旗を翻し、「王国」は崩壊した。

 当選した新人の支援に回った五百川(いおがわ)純寿県議=8期=は「県議会の自民会派は分裂し、しこりは残っている」と現状を語る。そして知事選勝利の意義をこう強調した。

 「下克上のようになってしまったが、国会議員は首相官邸の顔色ばかり気にしている。将来を見据え、県民の声をしっかりと吸い上げなくてはいけない」

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 民意をつかむ力の劣化は「ほころび」を生む。その象徴が、4月の大阪府知事・大阪市長のダブル選だった。自民推薦候補は、大阪市を廃止・再編する「大阪都構想」を掲げた日本維新の会系候補にいずれも完敗した。

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