牛肉2割下げ、消費者・輸出企業追い風 TPP発効1年





記念写真に納まる安倍首相(左から5人目)、茂木経済再生相(同6人目)とTPP参加各国閣僚ら=1月、東京都内(代表撮影)

 1年前のTPPの発効で、輸出入にかかる関税が下がり、消費者や輸出企業には追い風となっている。

 大手小売りはTPP発効を機に関税引き下げ分を含めた値下げに踏み切り、消費の喚起を狙う。スーパー大手「イオン」などを運営するイオンリテールによると、同社がオーストラリアの直営農場から調達する牛肉のプライベートブランド(PB)「タスマニアビーフ」は、TPP発効前に比べ2割程度、価格を引き下げた。例えばサーロインステーキ用は100グラム当たり598円(税抜き)から480円となり、「売り上げは好調」という。

 38・5%だった牛肉輸入関税は、TPP発効で現在は26・6%に下がっている。平成27年に発効した日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)の牛肉関税(冷蔵28・8%、冷凍26・7%)よりも低く、消費者にとってTPPのメリットは大きい。

 一方、TPPで日本の代表的な輸出品である自動車をはじめ工業品の多くで関税が撤廃もしくは引き下げられ、日本企業の活動にもプラスとなっている。例えば自動車輸出では、カナダの関税が6・1%から発効5年目には撤廃される。

 関税以外でも、ベトナムがコンビニエンスストアの出店に関する外資規制を発効後5年の猶予期間を経て撤廃。知的財産権保護では「夕張メロン」といった地域ブランドの表示を保護するルールが強化された。ルールの整備も進み、日本企業のビジネスチャンスが広がっている。



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