関西電力の高浜原発3、4号機(福井県高浜町)が来年8月以降に順次停止することが26日、分かった。関電が同日開いた取締役会で、現状では原子力規制委員会が義務付けるテロ対策施設が設置期限に間に合わず、工期短縮策を検討していることなどが報告された。電力供給に影響しないよう、火力発電所の稼働増など高浜原発の代替措置の検討を進めている。
原子力規制委は今年4月、テロ対策の「特定重大事故等対処施設」の完成が設置期限に間に合わない原発には、運転停止命令を出す方針を決定。高浜3号機は令和2年8月、同4号機は同10月にそれぞれ期限を迎える。
関電は今年4月時点で、期限に1年程度遅れるとし「早期完成に向けてあらゆる方法を検討している」(岩根茂樹社長)と説明していた。高浜3、4号機が停止すると、火力発電の燃料費増などで毎月80億円程度利益を押し下げる。現時点でテロ対策施設の完成時期は未定。運転停止が長期化すれば経営を圧迫する。
原発のテロ対策施設をめぐっては、九州電力が10月、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)を来年3月以降に順次停止すると発表した。